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NTTと北大、空間多重信号光の強度差を自在に補償

June, 28, 2022, 東京--日本電信電話株式会社(NTT)と、北海道大学(北大)は、異なる種類(モード)の信号光間で発生する光の強度差を、低損失・広帯域に可変補償する小型光デバイスを世界で初めて実証した。
 1 本の光ファイバで複数のモードを伝搬するモード多重伝送は、将来の大容量光伝送の候補技術として期待されている。しかし、光ファイバ中の減衰量や光増幅器の増幅効率が、モード間でわずかに異なるため、長距離伝送後にはモード間の光強度差が増大する。このモード間の光強度差は、受信装置内の電気信号処理を複雑化し、伝送可能距離を著しく制限する。今回、小型の平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)内で、特定モードの光強度を選択的に減衰させ、モード間の光強度差を±0.5 dB 以下に補償することに成功した。これにより、提案デバイス1 台で伝送可能距離を 200 km 程度拡張できると期待される。
 この成果は、NTT が提唱する IOWN構想がめざす、1 ペタ超の大容量光伝送基盤の実現に向けた要素技術の一つとして期待される。
 今回の成果は、スイス バーゼルで開催される光通信技術に関する国際会議(ECOC2022)に採択され、現地時間の 2022 年 9 月 18 日から 22 日の会期中に発表予定。
(詳細は、https://www.hokudai.ac.jp/)