June, 2, 2022, Freiburg--Fraunhoferソーラエネルギーシステム研究所ISEの研究者は、新しい反射防止コーティングを使用して、過去最高の4接合ソーラセル、665 suns集中で、46.1から47.6%への効率増に成功した。成果は、第二回International tandemPV Workshopで発表された。
過去2年、Fraunhofer ISEは、意欲的なプロジェクト”50 Percent.”に取り組んできた。プロジェクトの目的は、50%効率のソーラセルを初めて開発すること。ドイツ連邦経済&気候アクションBMWKが助成している。これを達成するために複雑な多接合太陽電池の各層は、さらに最適化される。プロセス技術の改善が、金属コンタクトや反射防止層に組み込まれている。今回、プロジェクトチームは、初のブレイクスルーを達成した。最新のソーラセルは、集中太陽光で、効率47.6%を達成している。
新しいソーラセルの層構造は、2016年にフランス企業、Soitec Incとの共同開発。同社は、革新的半導体材料の設計と製造を行っている。上方多層ソーラセルは、GaInPとAlGaAsでできている。これをSoitecが、GaInAsPとGaInAsでできた下方多層ソーラセルに接合した。
現在、改善されたコンタクト層と4層の反射防止コーティングが、Fraunhofer ISEの高効率太陽電池センタで多層セル構造に適用された。この対策は、太陽電池のフロントサイドの抵抗損と反射を減らす。太陽電池のフロントサイドは、300~1780nmの広い範囲でスペクトル感度がある。シリコンでできた従来のソーラセルは、1200nmの波長までの太陽光を吸収するだけであり、したがって、そのような広帯域反射防止コーティングは不要。
III-V化合物半導体でできた多接合太陽電池は、常に世界最高効率の太陽電池だった。入射太陽光がレンズでわずか数㎜平方の微小ソーラセルデバイスに集光されると、それらは最高電位に達する。「その高効率タンデムソーラセルの可能なアプリケーションに含まれるのは、集光型太陽光発電システム。これは、太陽の豊富な国々では効率的な発電に寄与する。タンデムフォトボルテイックにより、シングルジャンクションソーラセルを追い越し、最終的に太陽光発電コストの低減を達成する」とFraunhofer ISE太陽光発電研究部長、Dr. Stefan Glunz教授はコメントしている。
(詳細は、https://www.ise.fraunhofer.de)