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過去最小遠隔制御歩行ロボット、微小ロボットカニ

June, 1, 2022, Evanston--ノミよりも小さなロボットが歩く、曲がる、捻る、回る、ジャンプすることができる。
 ノースウエスタン大学のエンジニアは、過去最小の遠隔制御歩行ロボットを開発した。それは、微小で魅力的なピーキートウカニの形をしている。

幅がわずか1/2㎜の微小なカニは、曲り、捻り、這い、歩き、曲ることができ、跳び上がることもできる。研究チームは、尺取り虫、コオロギ、クワガタに似た1㎜サイズのロボットも開発した。この時点では研究は調査段階であるが、その技術は、強く閉じ込められた空間内で実用的な仕事ができるマイクロサイズロボット実現にその分野を近づけると研究者は考えている。

研究成果は、Science Roboticsに発表された。同じチームが、世界最小の人工飛行構造の翼付マイクロチップをNatureに発表している。

「ロボットは、素晴らしい研究分野である。マイクロスケールロボットの開発は、学術探究にとって面白いテーマだ。産業では、小さな構造の修理、組立、加工を行い、外科助手としては閉塞動脈血栓を解除、内出血を止める、あるいはガン性腫瘍を除去するなど、すべて侵襲性が少ない処置で実施するロボットが想像できる」と実験リーダー、John A. Rogersは話している。

理論研究リーダー、Yonggang Huangは、「われわれの技術により、様々な制御された動作モダリティが可能になる。また、その体長の1/2の平均秒速で歩くことができる。陸上ロボットでは、そのような小スケールでは達成が非常に難しい」とコメントしている。

ノミよりも小さいので、そのカニは複雑なハードウエア、水力あるいは電力による駆動ではない。そうではなく、そのパワーは、本体の弾性歪エネルギーにある。そのロボットを構築するためにチームは形状記憶合金材料を利用した。これは、加熱されると「記憶された」形状に変形する。この場合は、チームは、走査レーザビームを利用して、その本体の様々な標的箇所でロボットを急加熱した。ガラスの薄いコーティングが、冷却すると、構造の対応する部分をその変形形状に戻す。

そのロボットは一つの相から別の相に変化する、記憶された形状に変形し、再び戻るので、それは移動力となる。レーザが遠隔からロボットをコントロールして、それを活性化できるだけでなく、レーザスキャニング方向は、ロボットの歩行方向を決めることができる。左から右へのスキャニグにより、例えば、ロボットは右から左へと動く。

「これらの構造は非常に小さいので、冷却速度は極めて速い。実際、これらにロボットのサイズを縮小することで、その構造は素早く走ることができる」(Rogers)。

そのように小さなクリッタ(生物)を作るために、RogersとHuangは、8年前に発表した技術に眼を向けた。子どものポップアップブックからヒントを得たポップアップアセンブリ法である。

先ず、チームは、フラット、平面形状で歩行するカニ構造に先駆体を組み立てた。次に、これらの先駆体をわずかに伸びたゴム基板にボンド接合した。伸びた基板が弛緩すると、制御された座屈プロセスが起こり、これによりカニは、正確に定義された3D形態に「ポップアップ」する。

この製造技術でノースウエスタンチームは、様々な形状、サイズのロボットを開発することができた。

「このアセンブリ技術と材料コンセプトでわれわれは、ほぼどんなサイズ、3D形状の歩くロボットを構築できる」とRogersは話している。