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AIを使って患者データから安全にガンを検出

May, 27, 2022, Leeds--リーズ大学(University of Leeds)の研究者は、個人情報を危険にさらすことなく、患者のデータからガンを予測するために人工知能(AI)を使う新しい方法が開発した。

AIは、画像、試行結果など膨大なデータを分析することができる。また、人間では検出できないことが多いパターンを特定できるので、病気の検出、診断、処置のスピードアップには極めて価値が高い。

しかし、医療現場でその技術を使うことは、物議を醸す。偶発的なデータリリースの危険、多くのシステムが私企業の所有、管理であり、患者の機密データへのアクセス、さらにそれを保護するめの責任などのためである。

「われわれは、スウォームラーニングでトレーニングしたAIモデルが、直腸腫瘍の組織画像から直接、臨床的に関連がある遺伝子変化を予測できることを示すことができた」(医学部、客員助教、Dr Jakob Nikolas Kather)。

リーズの研究者を含む研究チームは、スウォームラーニングという形式を使ってコンピュータが患者の組織サンプルの医療画像にガンを予測するために役立つかどうか、病院から放出することなしにできるかどうかを明らかにすることに着手した。

スウォームラーニングは、AIアルゴリズムをトレーニングして病院や大学が保有する、ヒト組織の画像内の遺伝的変化などのデータにパターンを発見する。スウォームラーニングシステムは、次にこの新たに訓練したアルゴリズムを中央コンピュータに送る。重要な点は、局所データ、患者情報ではないということてある。そこでは、それが同様の方法で他の病院で生成されたアルゴリズムと統合され、最適化されたアルゴリズムを作り出す。これは次に、元の病院へ送り返すと、それは再び元のデータに適用され、より感度の高い検出力により、遺伝的変化の検出改善となる。

これを数回実施することでアルゴリズムが改善でき、全てのデータセットで機能するものを作ることができる。即ち、その技術は、どんなデータもサードパーティ企業に放出する必要なく適用でき、国境を超えて病院間で転送できることを意味する。

ガンを予測
チームは、北アイルランド、ドイツ、USAの3グループの患者からの研究データでAIアルゴリズムをトレーニングした。アルゴリズムは、リーズで生成された2つの大きなデータ画像でテストされ、画像に様々なサブタイプの存在を予測する方法の学習に成功したことが分かった。
 研究は、リーズ医学部のJakob Nikolas Katherが主導した。チームには、リーズ薬学部、Heike Grabsch と Phil Quirke、Dr Nick Westを含む。

Dr. Katherは、「5000を超える患者からのデータに基づいて、スウォームラーニングで訓練したAIモデルが、直腸腫瘍の組織画像から直接、臨床的に関連がある遺伝的変化を予測できることを示せた」とコメントしている。

リーズ病理学教授、Phil Qrirkeは、「スウォームラーニングを医学で使用して、どんな画像分析作業にも独立したAIアルゴリズムを訓練できることを示した。このことの意味は、研究機関がデータの安全な管理を放棄する必要なく、データ転送ニーズを転送できると言うことである。
 このタスクを行うAIシステムの構築は、将来、AIを適用するわれわれの能力を改善する」と話している。

(詳細は、https://www.leeds.ac.uk)