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アルバータ大学、フォトニック回路に向けて大きく前進

August, 25, 2014, Edmonton--アルバータ大学(University of Alberta)の電気工学研究チームは、コンピュータチップの銅配線を置き換えることができるナノ光ケーブルを設計している。
 これにより、コンピューティングの速度は飛躍的に増大し、電子デバイスが消費するエネルギーも減少する。研究リーダー、電気工学教授、Zubin Jacob氏によると、この技術のキラーアプリケーションはチップ内のインタコネクト。
 現在、光ケーブルの直径は1/1000㎜程度であるが、院生Saman Jahani氏とJacob氏が設計したケーブルは、10倍小さく、まだコンピュータチップに使用されている銅配線を置き換えるに十分なサイズである。
 研究チームはメタマテリアルを使用して、400年前にJohannes Keplerが発見した全反射の教科書的現象を再定義した。
 より小さなサイズで効果的な光部品を開発することでは、世界中の研究者が行き詰まっていた。普及しているソリューションの1つは、光波をケーブル内に閉じ込める反射金属クラッドであったが、最大の問題は温度の増加、つまりある点を過ぎると金属であることが問題の原因となる。
 「金属を使うと、光の多くが熱に変換される。それは大きな障害だった。光が熱に変わり、文字通り情報が燃え上がって失われてしまう」。
 研究チームは、新しい非金属のメタマテリアルを設計した。これにより、小径ケーブルに光波を圧縮して保持し、熱の発生もなく、信号遅延やデータ損失もなくなる。
 Jacob氏とJahani氏は、業界で利用されている光閉じ込め法を凌駕するメタマテリアルをシリコンチップ上に形成しようとしている。