April, 21, 2022, Berkeley--UC Berkeleyの研究者は、ガラスの微細構造を高速に3Dプリントする新しい方法を開発した。また、Scienceによると、より高い光品質、デザインの柔軟性と強度で物体を製造する。
ドイツ、アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク(Albert Ludwig University of Freiburg)の研究者と協力して研究グループは、3年前に開発した— computed axial lithography (CAL) — 3Dプリンティングプロセスの能力を拡大し、遙かに微細な特徴、ガラスでプリントできるようにした。チームは、これの新しいシステムを“micro-CAL.”と呼んでいる。
ガラスは、複雑な微細物体の作製に好まれる材料である。スマートフォンや内視鏡、微量液体を分析、処理するためのマイクロフルイディックデバイスで使用されるコンパクト、高品質カメラのレンズを含む。しかし、現在の製法は、遅く、高価であり、増え続ける産業需要に応える能力が限られている。
CALプロセスは、材料の薄い層から物体を構築する今日の産業用3Dプリンティング製造プロセスとは基本的に異なる。この技術は、時間集約的であり、粗い表面質感となる。しかし、CALは、物体全体を同時に3Dプリントする。研究者は、レーザを使って回転する感光性材料の塊に光パタンを投影して、3D光照射量を増やし、所望の形状に固化させる。CALプロセスのレイヤーレス性質により滑らかな表面、複雑な形状が可能になる。
この研究は、CALの境界を広げて、ガラス構造にマイクロスケールの特徴をプリントする能力を証明することが目的。「2019年に初めてこの方法を発表したとき、CALは、サイズが1/3㎜程度までとなる特徴のポリマに物体をプリントした」とUC Berkeley、機械工学研究者、教授、Hayden Taylorは話している。「今回、micro-CALでわれわれは、1mの約2000万分の1までの特徴を備えたポリマに物体をプリントすることができる。また、われわれは、この方法がポリマだけでなく、ガラスにもプリントできることを初めて示した。特徴は、1mの約5000万分の1である」。
そのガラスをプリントするためにチームは、アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク(Albert Ludwig University of Freiburg)の研究者と協力した。同大学の研究チームは、感光性バインダー液で囲まれたナノ粒子ガラスを含む特殊なレジン材料を開発していた。プリンタからのDLPが、バインダを固め、次にチームは、プリントされた物体を過熱してバインダーを除去し、粒子を融合してピュアガラスの固体にした。
「ここでの成功のカギは、光が実際に散乱なく材料を透過するように、バインダーが、実質的にガラスと同じ屈折率であること。CALプリンティングプロセス、このGlassomer開発の材料は、互いに完璧な組合せである」(Taylor)。
TaylorラボのPh.D学生、論文の主筆Joseph Toombsを含む研究チームは、テストして、CALプリントガラス物体が、従来のレイヤーベースプリンティングプロセスを利用して作られたもの比較して一貫した強度があることを確認した。「ガラス物体は、欠陥、亀裂があるとき、表面が粗いとき、壊れやすい傾向がある。他のレイヤーベース3Dプリンティングプロセスと比べると滑らかな表面の物体を造る能力は、大きな潜在的利点となる」(Taylor)。
CAL 3Dプリンティング法は、微細ガラス物体のメーカーに新しい、より効率的な方法を提供する。これは、形状、サイズ、光学特性、機械的特性などで、顧客の要求に応えるものである。特に、これには、微細光学コンポーネントのメーカーが含まれる。それらは、コンパクトカメラ、VRヘッドセット、先進的顕微鏡および他の科学的計測器の重要な部分である。「これらのコンポーネントを高速に、形状自由度高く作れることは、新しいデバイス機能、ローコスト製品につながる可能性がある」とTaylorは話している。
(詳細は、https://engineering.berkeley.edu)