April, 21, 2022, Chalmers--スウェーデンのチャルマーズ工科大学で開発された研究成果は、蓄積された太陽エネルギーを使用して、エレクトロニクスをオンデマンド自動充電する。
太陽エネルギーを収集し、それを最大18年蓄積して、必要な時、必要な場所にそれを放出することができるネルギーシステムの背後にいる研究者は、そのシステムをさらに一歩進めた。以前に、エネルギーが熱としてどのように抽出されるかを実証した後、研究チームは、それを熱電発電器に接続することで、そのシステムに発電させることに成功した。
「これは、太陽エネルギーから電気を生成する根本的に新しい方法である。即ち、天気、時間、季節、あるいは地理的位置に関係なく、われわれは太陽エネルギーを使って電気を生成できる。それは、CO2放出のなしに動作するクローズドシステムである」と同大学化学&化学工業学部、研究チームリーダー、Kasper Moth-Poulsen教授は説明している。
新技術は、チャルマーズ工科大学で開発されたソーラエネルギーシステム
MOST – Molecular Solar Thermal Energy Storage Systemsに基づいており、非常にシンプルである。その技術は、太陽光に触れると形を変える特別設計の分子に基づいている。その研究は、初期の段階で、発表された時にすでに世界の大きな関心を集めた。
Cell Reports Physical Scienceに発表され、上海の研究者と共同で実施された新しい研究は、そのソーラエネルギーシステムを一歩進め、コンパクトな熱電発電器と組み合わせて、それがソーラエネルギーをどのように電気に変換するかを詳細に説明している。
超薄チップが熱を電気に変換
スウェーデンの研究者は、ソーラエネルギーを詰め込んだ、特別設計の分子を上海交通大学(Shanghai Jiao Tong University)のTao Liと Zhiyu Huに送った。そこで開発された発電器を使って、エネルギーが放出され、電気に変換された。基本的に、スウェーデンの太陽光が、世界の他の場所に送られ、中国で電気に変換されたことになる。
「発電器は、超薄型チップであり、ヘッドフォーン、スマートウオッチや電話に組みこめる。こまで、われわれは少量の電気を生成しただけであるが、新しい成果は、そのコンセプトが実際に機能することを示している。非常に有望である」とチャルマーズ工科大学の研究者、ZhihangWangは、コメントしている。
MOSTとは何か
MOSTは、特別設計された炭素、水素、窒素分子をベースにしたクローズドエネルギーシステムであり、太陽光を受けると、形状をエネルギー豊富な異性体に変える。異性体とは、同じ原子で構成された分子であるが、整列の仕方が異なる。異性体は、後の利用のために液体の形で蓄積できる。夜あるいは冬など必要な時に利用できる。研究チームは、そのシステムを改良して、今では、最大18年蓄積できるようにした。特別設計の触媒が、蓄積されたエネルギーを熱として放出すると、分子は元の形状に戻る。したがって、それは、ヒーティングシステムで再利用可能である。現在、マイクロメートル厚の熱電発電器と組み合わせ、そのエネルギーシステムは、要求に応じて発電することができる。
(詳細は、https://www.chalmers.se/)