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Science/Research 詳細

理化学研究所、世界最高出力のアト秒レーザを開発

March, 28, 2022, 和光--理化学研究所(理研)光量子工学研究センター超高速コヒーレント軟X線光学研究チームの高橋栄治チームリーダー(開拓研究本部高橋極限レーザー科学研究室主任研究員)、アト秒科学研究チームのビン・シュエ基礎科学特別研究員らの研究チームは、従来の100倍以上のピーク出力を持つギガワット(GW)級の「アト秒レーザ(パルス幅がアト秒域のレーザ光)」の開発に成功した。

研究成果は、アト秒パルスを用いたナノ加工、イメージング技術などの実現に貢献すると期待できる。

研究チームは、波長の異なる3色のフェムト秒(1000兆分の1秒)レーザパルスを時空間で精密に合成して発生した「光シンセサイザ」と、理研独自の「高次高調波[3]エネルギースケーリング法を組み合わせることで、パルス幅226アト秒、パルスエネルギー0.24マイクロジュール(µJ)、ピーク出力1.1GWの高強度アト秒レーザの開発に成功した。同時に、光シンセサイザの電場形状を精密に制御することで、発生するアト秒レーザのパルス波形をコントロールすることにも成功した。

研究成果は、米国光学会のオンライン科学雑誌『Optica』(3月23日付)に掲載された。
(詳細は、https://www.riken.jp)