March, 28, 2022, 東京--金属材料が使用されている自動車や飛行機において、金属の破壊は重大な事故に繋がる恐れがあることから、その破壊メカニズムについて古くから研究が行われてきた。しかし、従来の手法では、破壊が「いつ」、「どこから」、「どのように」発生・進行していくのかを完全には理解できていないのが現状である。
京都大学材料工学専攻の平山恭介 助教は、高輝度光科学研究センターと共同で、大型シンクロトロン放射光施設SPring-8において、破壊の様子を直接観察できるX線CTおよび金属材料の様々な情報を得ることのできるX線回折コントラストトモグラフィー法を組み合わせたマルチモーダル3Dイメージング技術を開発した。
研究グループは、開発された技術を、高強度アルミニウム合金の破壊挙動の解析に適用し、従来、定説とされていたメカニズムとは異なる真の破壊メカニズムを明らかにした。マルチモーダル3Dイメージング技術は、金属材料の破壊現象だけでなく材料に関する様々な現象を理解するための非常に画期的な手法に成りうると期待されている。
研究成果は、2022年3月25日に、国際学術誌「Materials Transaction」のオンライン版に掲載された。
(詳細は、https://www.t.kyoto-u.ac.jp)