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ペロブスカイト太陽電池の耐久性向上に貢献する送材料開発功

March, 22, 2022, つくば--産業技術総合研究所(産総研)ゼロエミッション国際共同研究センター 有機系太陽電池研究チーム 村上拓郎研究チーム長、小野澤伸子主任研究員は、日本精化株式会社(日本精化)と共同で、ペロブスカイト太陽電池に使われる有機ホール輸送材料について、ドーパントを使用せず、高い光電変換効率が得られる新規材料を開発した。

ペロブスカイト太陽電池に使われるホール輸送材料のうち、有機ホール輸送材料は、一般的に無機材料よりも光電変換効率が高く、開発事例も多い。有機ホール輸送材料の多くは、リチウムイオンなどのドーパントを添加剤として加えることによって、ホールを動きやすくし、高い光電変換効率を得ている。しかし、リチウム塩などのドーパントは一般的に吸湿性があるため、水分を引き込むことによりペロブスカイト層を劣化させ、耐久性を低下させる。そこで、ドーパントを添加せずに、高い光電変換効率が得られるホール輸送材料の開発が期待されていた。

今回、従来のホール輸送材料に新しい化学構造を導入し、ドーパントを添加せずに、高い光電変換効率が得られる新規ホール輸送材料を得ることに成功した。従来のホール輸送材料にドーパントを添加しない場合と比較し変換効率が約3割向上した。さらに、耐久性を確認するために耐熱性試験(未封止、暗所)を実施し、1000時間を経過しても初期の光電変換効率を維持することが分かった。

開発技術はペロブスカイト太陽電池の効率と耐久性向上の両立に寄与することが期待される。
 なお、この技術の詳細は、2022年3月25日に日本化学会第102春季年会(2022)にてオンライン発表される。
(詳細は、https://www.aist.go.jp)