コヒレント特設ページはこちら

Science/Research 詳細

KIT、色付きペロブスカイトソーラモジュールを開発

February, 28, 2022, Karlsruhe--Karlsruhe Institute of Technology (KIT)の研究者は、安価なペロブスカイト半導体材料から色付きソーラセルを開発した。それらは、ビルの正面(ファサード)、屋根に組込可能となり、既知の建材の光学を真似ることができる。研究成果は、Solar RRLに発表された。

研究室では、ペロブスカイトソーラセルはすでに25%を超える効率を達成している。同等の効率のシリコンソーラセルと比較すると、前述の場合に使用される先の材料は安価であり、製法も簡単である。しかし、これまで、このことは小規模の場合にのみ真であった。「この技術の商用化には、モジュールの安定性の欠如、小規模で達成した高効率の大規模への移行が、まだ障害になっている」とKITマイクロストラクチャ技術研究所(IMT)、Ulrich W. Paetzold教授は指摘する。しかし、これは、その技術がコスト効率の優れたソーラモジュールとなるための必要条件である。展望は魅力的である、そのようなモジュールの多くが、ファサードのような、ビルのまだ使用されていない部分に組みこめるからである。そのような用途では、外観と共に、コストと効率が重要である。このため、Paetzoldのチームは、産業パートナー、SUNOVATIONと協力して、ペロブスカイトソーラモジュールに色づけするインクジェット法を研究した。その利点は、インクジェットプリンティングによる色づけは安価であり、大面積にも適していることである。

色の印象は入射光に依存しない
選択したアプローチは、第2の主要な利点である。「これまで、色付きペロブスカイトソーラセルの色印象は、入射光の角度に依存していた。われわれの方法では、色は、太陽放射の角度にほぼ無依存であり、常に同じように見える」とプロジェクト調整役、Helge Eggersは言う。大規模な一連の実験で、研究者は、最初にシリコンソーラモジュール向けに開発された方法がペロブスカイトソーラモジュールにも効率的に適用できることを証明した。ソーラセルの色付き、シアン、マゼンタ、イエローは、太陽エネルギーを電力に変換する時に元の効率の最大60%を達成した。

第3の利点。インクジェットプリンティングを使うので、色を混合できる。これは、広い色スペクトルだけでなく複雑な色パタンもプリントできる。研究者は、様々な建材のように見えるソーラモジュールを作製した。白い大理石オプティクスのペロブスカイトソーラモジュールは、最大14%の高効率を達成した。「建築組込太陽光発電(PV)の場合、太陽光発電システムは屋根、あるいはファサードにインストールされないが、モジュールで置き換えられる。結果的に、付加コストが回避される。ビル組込PVでは、効率が低い組込ソーラセルの方が、全く電力を供給しない壁よりもましであると言える。この点で、14%の効率は、巨大である」とEggersは説明している。
(詳細は、https://www.kit.edu)