February, 25, 2022, 京都--高分子化学専攻の大内誠教授らの共同研究グループは、次世代半導体微細加工材料として注目されているポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)によるブロック共重合体であるPS-block-PMMAのつなぎ目にオリゴペプチドを精密に導入することで、PS-block-PMMAの相分離下限分子量よりも低い分子量で長周期のラメラ構造の形成に成功した。
ブロック共重合体(BCP)が自己組織化して形成する周期的規則構造から一方の高分子成分を選択的に除去することで凹凸パターンを形成し、パターニング用保護膜材料として用いる半導体微細加工の研究が注目されている。PS-block-PMMAはこの目的に適したBCPであり半導体関連企業での研究も盛んであるが、PSとPMMAの反発力が小さいために低分子量体では規則構造の形成が難しく、微細化を目指す上で大きな課題を残していた。
研究ではアミノ酸6ユニットから成るオリゴペプチドをつなぎ目に導入することで、低分子量PS-block-PMMAの長周期ラメラ構造形成を実現した。
研究成果は、2022年2月17日に、国際学術誌「Macromolecules」のオンライン版に掲載された。
(詳細は、https://www.t.kyoto-u.ac.jp)
研究グループ
吉村智佳 修士課程学生、森下智文 修士課程学生(研究当時)、東京工業大学物質理工学院材料系 早川晃鏡 教授、難波江裕太 助教