February, 17, 2022, Gaithersbug--NISTの研究チームは、光学顕微鏡の正確さを高め、空中の微液滴イメージング、プラスチックナノ粒子濃度分析にその方法を適用する。
クシャミ、雨雲、インクジェットプリンタ、それらは全て液滴を生成、あるいは含んでおり、1リットルビンに数十億の液滴が含まれる。
微小液滴の量、動き、内容を計測することは、空気中のウイルスの広がり方、雲が陽光を反射して地球を冷却する仕方、インクジェットプリンタが非常に微細なパタンを作る仕方、どうのようにしてソーダボトルが断片化して海を汚染するナノスケールのプラスチック粒子になるかを調べるために重要である。
従来の光学顕微鏡のキャリブレーションを改善することでNISTは、1兆分の1リットル以下の個々の液滴の量を1%以下の不確かさで初めて計測した。それは、以前の計測に対して10倍の改善である。
光学顕微鏡は、微小物体の位置や寸法を直接イメージングできるので、その計測を利用して、微小液滴球の体積(直径の3乗)を決定できる。しかし、光学顕微鏡の精度は、多くの要素によって制約されている。画像分析が、液滴のエッジと周辺空間の間の境界をいかによく見つけられるかなど。
光学顕微鏡の精度を改善するためにNISTの研究者は、計測器の新しい基準とキャリブレーションを開発した。チームは、顕微鏡と重量測定として知られる独立した技術を使って浮遊マイクロ流体の体積を同時計測できるシステムを考案した。
重量測定は、容器に集めた多くの微小液滴の総質量を測ることで体積を計測する。液滴の数を制御し、密度(単位体積当たりの質量)が計測されるなら、スケールに記録される総質量を使って1個の液滴の平均体積を計算できる。これは、価値のある情報である、液滴はサイズが多様であり、光学顕微鏡で単一の液滴をイメージングすることで、より直接的で完全な計測が可能になる。
しかし、容器の内容を計量することは、実証済みの方法であるので、重量測定は、直ちに高信頼度の国際単位系(SI)につながる。そのような計測は、最も信頼度が高い。単位が、時間経過と共に変わらない、自然の基本定数に基づいているからである。したがって、チームは、液滴寸法判定に、重量法を用いて顕微鏡の信頼性を調べた。
微小液滴の発見精度の改善には、研究チームは、微小液滴を模擬し、画像境界をキャリブレートするために2つの基準物体をテストした。各基準物体には、精密かつ正確に計測されたエッジ間の距離が、対応する画像境界のキャリブレーションが可能になる。
最初の基準物体は、微小液滴の直径を表すためにキャリブレートされた距離で分離された鋭い金属エッジで構成されていた。その「ナイフエッジ」は、微小液滴エッジと周囲空間との間のフラットな境界を仮定しており、光学系のテストに一般に利用されるが、微小液滴には一過性の類似に過ぎない。
他の標準的な物体は、キャリブレートされた直径のブラスチック球で構成される、これは微小液滴の画像によく似た画像を顕微鏡に形成する。実際、研究者が画像の境界の計測をキャリブレートするためにそのプラスチック球を使用したとき、顕微鏡から抽出した微小液滴の体積は、重量測定からの体積と正確に一致していることを研究者は確認した。研究者は、光学顕微鏡の複数の他の側面もキャリブレートした。これはに焦点や歪が含まれる。これはSIへのリンクを維持している。
NIST研究者は、メリーランド大学インカレッジパークと協働して、研究成果をAnalytical Chemistryに報告した。
主要な実験では、チームはプリンタを使って、ゆっくりと蒸発する粘性アルコール、シクロペンタノールの微小滴のジェットを打ち出す。ジェットを精密制御して、予め分かっている微小液滴の数を生成する。微小液滴のジェットが、プリンタから、数センチ離れたコンテナに飛ぶと、微小液滴は、光学顕微鏡で背後から照射され、撮像された。次に、コンテナと、多数の微小液滴の集積の重量を計測した。
重量分析法と比較することで光学顕微鏡をキャリブレートし調べて、チームは別の実験に着手した。シクロペンタノールをポリスチレンナノ粒子を含む水微小液滴で置き換える、これはナノプラスチック分析には一般的だが非公式の基準である。このシステムは、多くの研究者が関心をもっている、例えば、プラスチック汚染を調べるサンプルタイプとよく似ている。研究者は、プリンタを使って一度に、何列もの水微小液滴を表面に堆積させた。
表面に付着すると、水微小液滴は蒸発し、後にナノ粒子が残る。チームは、次に、そのナノ粒子を数え、蛍光染料でラベリングする。こうして、チームは各微小滴内に漂う粒子の数を記録した。これによって濃度計測をする。この計測は、バルク液をサンプリングする方法と、小数のナノ粒子を含む微小滴の特性を調べる方法の両方である。
研究者によると、この方法とチームが利用したものよりも高速な照射システムを使い、微小液滴のスプレイあるいは微小液滴群を計測する能力を獲得する、そのような計測は、将来の疫病学的、環境および産業アプリケーションの研究で重要な役割を果たす。
(詳細は、https://www.nist.gov)