August, 11, 2014, Adelphi--米国陸軍研究所(ARL)は、冷却特性を著しく強化した薄型ディスクレーザパワー増幅器を開発した。この増幅器は、非常に高品質なビームを維持しながらパワーを2.5倍に拡大することができる。
MOPA構成は、特定用途のパワー要求を満たすために種光(MO)のパワーを拡大する目的で最も一般的に使われている方法。しかしパワー拡張範囲を制限するのは生成する熱であり、それに対処するレーザシステムの能力である。
増幅器で生成される熱を抑制する1つの方法は、デューティサイクル100%以下で疑似連続波(Q-CW)モードで増幅器を動作させることである。PA励起パワーをパルス化することでポンプとレーザ利得素子への全般的な熱負荷を下げながら、ビーム品質を劣化させることなく、なおCW動作と同じ瞬間力を可能にすることができる。
Q-CWハイパワーレーザ光源は、励起中に瞬間的な高いパルスパワーが必要なところでよく使われる。あるいは非常に高いパルスエネルギーのQスイッチパルスが必要なところで使われる。CWに比べて、Q-CW動作の抑制された熱負荷により、レーザシステム全体に必要な冷却が少なくなるり、非常にコンパクトで軽く、パワー効率のよいレーザ光源パッケージが可能になる。
ARLの研究チームは、光学的に透明なヒートシンクを使うことで冷却問題に対処し、利得媒体を両サイドから冷却して出力範囲を約2.5倍拡大可能にした。
利得素子の非発振側にとりつけた通常の銅のヒートシンクとともに、新しい設計では透明な単結晶シリコンカーバイド(SiC)コンポーネントが発振/励起側でヒートシンクとして働く。このコンポーネントは、銅と同様の熱伝導性があり、レーザ動作による光学的干渉なしに優れた熱輸送を実現する。
このコンパクトな増幅器は、レーザホスト媒体にYVO4を選択して、SiCヒートシンクと利得媒体管の機械的応力が最小になるように設計されている。SiCとNd:YVO4の熱膨張係数はほぼ同じであり、増幅器はSiCとYVO4間の剥離なしに高温動作する。
(詳細は、www.theiet.org)