January, 21, 2022, Cambridge--新しいプラットフォームが、2次元の伸縮自在面を特殊な3次元形状に変形することができる。
3D形状に変形するフラット材料は、建築、医療、ロボット工学、宇宙飛行などに潜在的アプリケーションがある。しかし、これらの形状変化のプログラミングは、複雑で時間がかかる計算を必要とする。
今回、Harvard John A. Paulson School of Engineering and Applied Sciences (SEAS)の研究者は、マシンラーニング(ML)を使って2D伸縮自在面を特殊な3D形状に変形をプログラムするプラットフォームを開発した。
「マシンラーニング法は、画像認識や言語処理に古典的に利用されてきたが、最近は、機械工学的問題を解く強力なツールとして登場してきた」とKatia Bertoldiは、コメントしている。同氏は、論文のシニアオーサ。「この研究でわれわれは、これらのツールを拡張して、変形可能、膨張可能なシステムの力学を研究することができる」。
研究成果は、Advanced Functional Materialsに発表された。
研究チームは、柔軟または硬いかのいずれかが可能な膨張可能膜を100平方ピクセルの10×10グリッドに分割することで始めた。柔軟または硬いピクセルは、ほぼ無限の多様な構成に統合され、手動プログラミングは非常に難しくなる。そこにマシンラーニングが登場する。
研究チームは、有限要素シミュレーションとして知られる方法を使って、この無限のデザインスペースを試す。次にニューラルネットワークが、そのサンプルを使って、柔軟または硬いピクセルが、圧力をかけられたときに、その膜の変形をどう制御するかを調べた。
「マシンラーニングモデルがトレーニングされると、われわれは任意の3D形状を考え出し、それをモデルに与える。次にニューラルネットワークが膜デザインと、所望の3D形状を得るために、そのような膜を膨らませる圧力を出力する」と、論文の主筆、SEASの前ポスドクフェロー、Antonio Elia Forteは説明している。
研究チームは、この新しい設計法を使って、メカノセラピー向けのデバイスを構築しテストした。メカノセラピーは、治癒を改善し、快復時間を低減するために瘢痕周囲の組織をシミュレートする。
「このプラットフォームは、メカノセラピー向けに患者に特化したデバイスを迅速かつ効果的に設計できる、またそれ以上のことも可能である。この研究以前には、膨張可能なシステムにおける非線形マッピングを解明するためにマシンラーニングの使い方を知らなかったが、こうした目的にはマシンラーニングが非常に強力であることが若っる」。
そのプラットフォームは、医療デバイスから建築までのアプリケーション向けに、複数スケールで変形可能な表面を設計するために使える。
Forteによると、これは、変形可能な材料のマシンラーニング活用デザイン始まりに過ぎない。
「マシンラーニングは、現在知られているデザイン戦略の限界を押し広げ、われわれは完全に再構成可能な形状変形材料の設計と構築ができるようになる」とForteは話している。
(詳細は、https://www.seas.harvard.edu)