August, 7, 2014, Cambridge--ペロブスカイト材料から造ったカラフルLEDは、将来の安価で製造容易なLEDディスプレイにつながる。
高効率の太陽電池を造るために最近発見された同タイプの材料、ハイブリッドペロブスカイトを使うとローコストで製造容易なLEDが実現する。柔軟なカラーディスプレイなど、今後幅広い範囲の商用アプリケーションが開発される可能性がある。
半導体ペロブスカイトのこの特定クラスは、過去数年、太陽電池分野で興奮状態を引き起こした。オクスフォード大学のHenry Snaith教授のグループが、ペロブスカイトが高効率に光を電気に変換することを発見した後のことである。わずか2年で、ペロブスカイトベースの太陽電池は効率約20%に達した。これは、シリコンベースの太陽電池が20年かけて達成したレベルである。
今回、ケンブリッジ大学、オクスフォード大学、ルートヴィッヒ-マクシミリアン大学の研究チームが、ペロブスカイト材料を使って高輝度LEDを造り、新たなアプリケーションを実証した。
LEDを造るために使用されたペロブスカイトは、有機金属ハロゲンペロブスカイトとして知られており、鉛、カーボンベースのイオン、ハライドとして知られるハロゲンイオンを含んでいる。これらの材料は共通溶媒によく溶け、乾燥させると結集してペロブスカイト結晶を形成し、安価で簡単に造れる。
ペロブスカイトLEDは、簡単で拡張性のある工程を使って造られる。その工程では、ペロブスカイト溶液を用意し、基板にスピンコートする。この工程は高温加熱ステップ、高真空を必要とせず、したがって安価に大規模製造できる。一方、従来のLED製造法は、多くの大面積ディスプレイアプリケーション用には法外のコストがかかる。
研究チームは、現在、LEDの効率向上、ダイオードレーザに使うことに取り組んでいる。ペロブスカイトをベースにした最初の商用LEDは5年以内に利用可能になる。
(詳細は、www.cam.ac.uk)