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3Dプリントナノ磁石により磁界のパタンが明らかになる

January, 13, 2022, Cambridge--ケンブリッジ大学の研究者は、最先端の3Dプリンティングと顕微鏡を使って、ナノスケールで磁石を3次元にすると何が起こるかを垣間見せた。

ケンブリッジ大学Cavendish Laboratory主導の国際研究チームは、開発した最先端の3Dプリンティング技術を利用して、磁気二重ラセン(ダブルヘリックス)を作成した。これは、相互に絡みつき、ヘリックス間に湾曲、対掌性、強力な磁場相互作用を作り出す。そうすることで研究チームは、これらの磁気ダブルヘリックスが、磁界にナノスケールのトポロジカルテクスチャを作り出すことを発見した。これは、以前には見られなかったものであり、次世代磁気デバイスに扉を開く。研究成果は、Nature Nanotechnologyに発表された。

磁気デバイスは、われわれの社会の多くの部分に影響を与え、磁石は、エネルギーの生成、データストレージやコンピューティングに利用されている。しかし磁気コンピューティングデバイスは、2Dシステムでは急速にその限界縮小に近づいている。次のコンピューティング世代向けに、3Dへの移行への関心が高まっている。そこでは、3Dナノワイヤアーキテクチャで高密度が達成されるだけではなく、3D形状が磁気特性を変え、新たな機能を提供する。

「Stuart Pakinが初めて提案した、いわゆるレーストラック・メモリという、まだ確立されていない技術のまわりには、多くの課題があった。その考えは、ナノワイヤの磁壁にデジタルデータを蓄積し、情報蓄積デバイスとするというもので、高信頼、高性能、大容量である」とClaire Donnellyは説明している。同氏は論文の筆頭著者、現在はマックスプランク研究所、固体化学物理学に在籍する。

「しかし今までは、この考えは、常に実現が非常に難しかった。3D磁気システムを構築し、磁化と磁場の両方で3次元に至る効果の理解も必要だからである」。

「したがって、過去数年、われわれの研究は、3D磁気構造を可視化する新しい方法の開発に集中した、病院のCTスキャンのようではあるが、磁気である。われわれは、磁気材料向けの3Dプリンティング技術も開発した」。

その3D計測は、Paul Scherrer Institute 、スイス光源Polluxビームラインで行われた。現在、軟X線断層撮影ができる唯一のビームラインである。この最先端のX線イメージング技術を使って研究チームは、3D DNA構造が、2Dで見られるモノと比較して、磁化で異なるテクスチャになるのを観察した。隣接ヘリカルの磁区間のペアウォール(磁化が全て同一方向を指し示す領域)は、強く結合しており、結果的に、変形する。これらのウォールは相互に引き合い、3D構造であるが故に、回転し、所定の場所に「固定」し、DNAの塩基対と同様、強力な通常の結合を形成する。

「3D構造が、磁化だけでなく、漂遊磁場でも興味深いトポロジカルナノテクスチャに至ることを見いだした。そのようなテクスチャは比較的見慣れているが、漂遊磁場は、新しいナノスケール磁界構造を明らかにしている」(Donnelly)。

「この長さのスケールで磁界をパタン化するこの新しい能力により、われわれは、磁気材料にどんな力が加わっているかを定義し、これらの磁界のパタン化でどこまで行けるかを理解できる。ナノスケールでその磁力を制御できれば、2Dでわれわれが持っているのと同程度の制御に近づける」。

「結果は素晴らしいものである。DNAのようなダブルヘリックスのテクスチャは、ヘリックス間の強力な結合を形成し、結果的にその形状を変形する」と論文の筆頭著者、Amalio Fernandez-Pacheco、前Cavendish研究者は説明している。「しかし、もっと素晴らしいことは、これらのボンドの周りに、磁界の渦、トポロジカルテクスチャが形成されていることだ」。

磁化に関して、二次から三次へ移行したので、今では研究チームは、磁界に関して、2Dから3Dへの移行の全潜在力を探求する。

「この研究の展望は、多重的である。磁気ヘリックスでこれらの強力なに結合したテクスチャは、極めてロバストな運動を約束し、情報の潜在的キャリアとなり得る。さらに素晴らしいことは、ナノスケールで磁気をパタン化するこの新しい能力であり、これは粒子トラッピング、イメージング技術、スマートマテリアルなどの新たな可能性を生み出す」とFernandez-Pachecoは、離している。
(詳細は、https://www.phy.cam.ac.uk)