December, 17, 2021, 横浜--横浜国立大学 大学院工学研究院/先端科学高等研究院の小坂英男教授、関口雄平助教らは、ダイヤモンド中の電子をゼロ磁場環境で制御することで、電子と自然放出される光子の幾何学的な量子もつれの生成に世界で初めて成功した。
研究グループは、ダイヤモンド中の窒素空孔中心(NV中心)の電子がゼロ磁場で形成する幾何学的な自由度と、同様に幾何学的な性質をもつ光子の偏光の自由度が、自然放出によって量子もつれを形成することを実証した。これによって放出された光子を遠隔ダイヤモンド中の核子に量子テレポーテーションの原理で転写することで量子中継の鍵となる遠隔量子メモリー間の量子もつれを生成することが可能になる。この手法は、従来必須であった光子の時間、周波数、および空間の精密なモード整合を必要としないためノイズ耐性が高いことに加え、磁場を加えないため超伝導のような異種材料からなる量子デバイスとの互換性にも優れている。
研究成果は、Communications Physicsオンライン版で公開された。
(詳細は、https://www.ynu.ac.jp/hus/koho/27338/34_27338_1_1_211215050741.pdf)