July, 30, 2014, Billerica--並外れた正確さで光を分離する高純度結晶はハイパワーレンズ、特殊オプティクス、また恐らく光コンピュータでも、重要パーツとなる。しかし、電子ビームでエッチングするような現在の技術でこのような結晶を作製することは非常に難しく、高価でもある。
プリンストン大学とコロンビア大学の研究チームは、このような特殊材料、フォトニック結晶を、比較的簡単にカスタマイズし、成長させる方法を提案した。
研究チームがNature Communicationsに発表した論文は、フォトニック結晶は、1つのタイプの粒子を別の材料に分散させた混合物から造ることができると提案している。コロイド懸濁液という、この混合物はミルクか霧のようなものを含んでいる。ある条件下で、これらの分散粒子が結合して結晶を形成する。
コロイド懸濁液から固体を造ることは新しい考えではない。
このような光学結晶作製のための主要な課題の1つは、所与のコロイド懸濁液から均一形状を造る方法を見つけ出すことだ。定義上、結晶の内部構造はパタン化されている。これらのパタンの幾何学が、結晶がどのように光に影響を与えるかを決める。一般的なコロイド混合物は、多様な内部構造の結晶を生み出す。
研究チームは、ハイエンド技術に必要となる均一構造を持つ結晶を造るために、コロイド懸濁液を利用する方法を論文で実証している。
原則として、正確なサイズの分子連鎖、つまりポリマをコロイド混合物に加えることで、形成される結晶に秩序を課することができることを研究チームは示している。
プリンストン大学化学・生物工学院生、論文の筆頭著者、Nathan Mahynskiは、「ポリマは、どのような構造の形成が許されるかをコントロールする。混合物でポリマがコロイドとどのように相互作用するかが分かれば、それを使って所望の結晶を造ることができる」と言う。
研究チームはコンピュータで、熱力学原理をベースにして結晶形成をシミュレートするモデルを作成した。
Athanassios Panagiotopoulos教授のグループは、異なるポリマの存在によって結晶形状がどのような影響を受けるかを理解するために、様々な可能性のある形状の均衡状態を解析した。
結晶が形成されたとき、微量のポリマがコロイド間にトラップされて一体となっていることを発見した。ポリマは、石壁内のモルタルのように見えるが、ポリマに粘着力はない。これらポリマで満たされた空間、つまり隙間が結晶のエネルギー状態を決める際に重要な役割を担っている。
ポリマと結晶形成は、錠と鍵のように機能する。両者は、最小のエネルギー状態の結晶構造で組み合わされる。そのため、研究者は結晶構造を調整するためにポリマの物理学の知識を利用することができる。
(詳細は、www.princeton.edu)