November, 19, 2021, Lausanne--EPFL化学エンジニア主導国際強力チームは、ソーラパネルとしての効率を低減するペロブスカイト製造の問題を克服した。そのアプローチにより、効率23.9%のペロブスカイトソーラパネルが製造され、動作安定性は1000時間を超えた。
ペロブスカイトは、金属ハロゲン化物と有機成分で構成されるハイブリッド化合物であり、LED光、レーザ、フォトディテクタなど、幅広いアプリケーションに大きな可能性がある。しかし、その主要な役割はソーラセルである。そこでは、ペロブスカイトは、市場を圧倒し、対抗するシリコンを置き換えると見られている。
高効率、安定ソーラセルの主要な候補の中にはヨウ化鉛ペロブスカイトがある。これは、すぐれた集光機能を示す。しかし、その効率は、製造依存が大きく、重要な点は、その集光表面から欠陥を除去することである。
パッシベーションとペロブスカイトの効率
一般的な対策は、「パッシベーション」という方法である。これは、ペロブスカイト膜表面を化学物質(アルキルアンモニウムハライド)で覆い、耐性と安定性を高めること。そのプロセスは、主ペロブスカイト光吸収体面上に2Dペロブスカイト層を追加する。これにより、デバイスの安定性が改善される。
問題は、そのパッシベーションが、実際は、いわゆる「面内」ペロブスカイト層を形成する逆効果となること。これは、特に熱くなる場合、同じように電荷を「動か」さない。したがって、潜在的なソーラパネルスケールアップ、商用化にとって明らかに不利である。
3D化学物質による救済
新しい研究では、EPFL基礎科学のMohammad Nazeeruddinをリーダーとする研究者が、その問題を解決する方法を発見した。ペロブスカイトを作るために使われるヨウ素の別の異性体でそれを処置する方法である。化学では、異性体は、同じ分子式を持つが、その原子は3D空間で配置が異なる化合物である。
研究チームは、異なるヨウ素PDEAI2 (フェニルエンジエチルアンモニウム)から2Dペロブスカイト形成に必要な最小エネルギーを調べた。その異性体は、「調整欠陥パッシベーション」となるように設計された。つまり、ペロブスカイトに対するパッシベーション効果が事前によく特徴付けられている。
そのアプローチは、ペロブスカイト効率に対するパッシベーションの悪影響を退ける点で極めて効果的であることが分かった。特に、効果的なPDEAI2異性体は、最も「立体的に阻止する」、つまり単に化合物の分子バルクのために化学反応性を遅らせることであった。実際、立体障害は、不要な反応を阻止または最小化するためによく利用されている。
この方法で製造したペロフスカイトソーラセルは、1000時間を超える安定動作、効率23.9%を示した。研究は、26㎝2のアクティブエリアのペロブスカイトモジュールで、記録的な21.4%の効率を達成した。
(詳細は、https://actu.epfl.ch)