November, 18, 2021, Urbana--IQUISTメンバー、 Gaurav Bahlと同氏の研究グループが、音波で光を制御する簡素でコンパクトなフォトニック回路を設計した。光を分離し、方向性を制御する強力な方法を実証する研究成果は、Nature Photonicsに発表された。チームの計測は、その分離のアプローチが全ての以前のオンチップ代替よりも優れており、原子ベースのセンサとの適合に最適化されていることを示している。
「原子は、自然においてはどこでも完璧なレファランスであり、多くの量子アプリケーションの基礎である。われわれが原子の制御に使うレーザは、不要な反射を阻止するアイソレータを必要としている。しかしこれまで、大規模実験でよく機能しているアイソレータは、微小化が難しいことが分かっている」とIllinois at Urbana-Champaignの機械科学・工学(MechSe)教授、 Gaurav Bahlは話している。
最良の環境でも、光は制御が難しい。光は、面に遭遇すると反射、吸収、回折する。ミラーが、入射光を跳ね返す。ガラスシャードは、光を透過しながら曲げる、ダークロックが光を吸収し、それを熱に変換する。基本的に光は、その経路のあらゆるものから散乱する。この扱いにくい挙動は、ほんのわずかな光でも暗闇で見るために役立つ理由である。
大きな量子デバイス内の光を制御することは、通常は骨の折れる仕事であり、幅広い範囲のミラー、レンズ、ファイバなどが関与する。微小化では、これらのコンポーネントの多くへの異なるアプローチが必要になる。過去数年、研究者やエンジニアは,マイクロチップにおける様々な光制御素子の設計で著しい進歩を達成した。研究グループは、光をトランスポートするためのチャネルになる導波路を作製することができる、また、ある材料を利用して、その色を変えることさえできる。しかし、微小なフォトンでできている光を、不要な後方反射を抑制しながら一方向へ動かすことは、トリッキーである。
「アイソレータは、光を一方向に中断なく通し、逆方向では完全に光を阻止するデバイス。この一方向性は、単なる普通の誘電体あるいはガラスを使っては達成できない。したがって、革新が必要である。また、原子センサに調整された光波長でアイソレータを機能させたい。これは大きなスケールでは難しくなる」と論文の筆頭著者、Mechseの前院生、ポスドク研究者、現NIST研究者、Benjamin Sohnはコメントしている。
一般的な実験では、一方向性達成のためのベストのツールは磁石を利用する。例えば、ほぼ全てのレーザは、磁気光学アイソレータを利用する。光はレーザから出るが、戻り光は阻止される。この点は、レーザ機能に干渉する。レーザも微小化できるが、従来のアイソレータは、2つの理由で問題がある。まず、コンパクトなデバイスでは、磁界が近くの原子に悪影響を与える。次に、例えこの問題を回避する方法があっても、アイソレータ内部の材料は、チップの短い距離ではうまく機能しない。
Bahlのチームは、新しい非磁気アイソレータを実証した。これは、設計が簡素であり、普通の光学デバイスを利用し、多様な光波長に簡単に適用できる。
「われわれは、損失を自然に回避するデバイスを設計したかった。それをするベストの方法は、光を伝搬させないことである。制御された経路でもなおフォトンをガイドできる最も簡素な‘nothing’は導波路である。これはフォトニック回路では非常に基本的なコンポーネントである」(Bahl)。
完全な原子ベースのシステムでは、導波路が、原子を含む小さなチャンバーまでレーザ光を操作して一連の素子を通す。これを念頭にチームは、780nmの光で使うためにチップを最適化した。この波長は、通常のルビジウムベースセンサ構成に必要である。
それは設計の最初の半分である。アイソレーションでは光は、逆方向で同時に阻止されなければならないからである。以前にチームは、光の対称的フローを破壊するフォトニック回路に音波を導入できることを示した。新しい研究ではチームは、このアイデアを機能チップ素子の実証に採り入れた。
その完全なフォトニックアイソレータに含まれるのは、導波路と楕円のレーストラックのように見える隣接リング共振器。通常、入射光は、それぞれの方向で、導波路から共振器へ通過するだけであるので、全ての光の流れをプロックスる。しかし、そのリングに音波を適用すると、共振器は、導波路から後方へ動く光だけを捉える。光は、前方へは遮られることなく通過した。あたかも共振器がそこに存在しないかであった。
チームの計測により明らかになったことは、ほぼ全てのフォトンが導波路で前に進むが、それを後方に動かすのは10000分の1に過ぎないことである。このこと意味は、その設計は損失、つまり望ましくない光吸収をほぼゼロにする、これは以前のオンチップアイソレータの長年の問題だった。そのデータから分かることは、新しいデバイスがオンチップアイソレータ、大きなマグネットベースのデバイスで記録破りのパフォーマンスを示すことである。加えて、そのアプローチは、フレキシブルであり、その出発材を変えることなく、多数の波長で使える。
「製造の平易さが決め手である。われわれのアプローチでは、どんな波長でも良好に機能するフォトニックアイソレータをプリントできる。いつでも同じチップで全ての波長で機能する。これは、今日の他のアプローチではできない」とU of I電気工学院生、Ogulcan Orselは説明している。
これは、他のアプリケーション、量子コンピューティングのような他のアプリケーションでもその設計が使えるということである。量子コンピューティングでは、ストレイ、制御不能な磁界、不要な光がデバイスのパフォーマンス全体を損なう。