November, 12, 2021, ふじみ野--KDDI総合研究所と兵庫県立大学大学院 情報科学研究科の五十部孝典 准教授の研究グループは、Beyond 5G/6G時代に求められる処理性能と安全性を備えた新しい共通鍵暗号アルゴリズム「Rocca」を開発した。「Rocca」は256ビットの鍵長に対応する認証付きストリーム暗号で、処理速度として世界最速となる138Gpbsを達成した。
開発した認証付き暗号アルゴリズム「Rocca」は、PCやスマートフォンのCPUで高速に処理可能な演算(AES-NIを含む)を主な構成要素とし、それらを効率よく並列処理することで高速性を実現している。加えて、十分な安全性が確保できる構造に配置することで、高速性と安全性を両立しました。米国標準暗号アルゴリズムとして広く使用されているAESとの速度比較において、AESがAES-NIを利用しない場合で100倍以上、AESがAES-NIを利用した場合でも約4.5倍の高速化を達成した。また、256ビットの鍵長に対応する認証付き暗号アルゴリズムとして初めて100Gbpsを超える138Gbpsの処理性能を実現しており、これはソフトウェア実装された256ビットの鍵長に対応した認証付き暗号の計測結果として世界最速。
今回の成果は、暗号のソフトウェア実装に関する最高峰の国際会議28th annual Fast Software Encryption conference(FSE2022)に採録された。2022年3月に発表予定。
(詳細は、https://www.kddi-research.jp)