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金沢大学、光反応のエネルギー効率を大幅に向上させる新技術を開発

November, 8, 2021, 金沢--理工研究域物質化学系の古山渓行准教授(JSTさきがけ研究員)と神戸大学との共同研究グループは,光磁場を増強するナノ構造を形成し,分子のスピン反転を伴う光学遷移を大幅に促進する技術を開発した。

分子の励起三重項状態は,寿命が長くさまざまな光化学反応に利用される。しかし,基底(一重項)状態から三重項状態への励起は電子スピンの反転を伴う“禁制遷移”であるため,三重項状態は項間交差を介した間接的な過程で励起されている。
 研究では,誘電体ナノ構造の配列構造(光メタ表面)の磁場増強効果を利用して,これまでほとんど考慮されなかった“磁気双極子遷移”を促進し,三重項状態間の励起効率を飛躍的に増大させることに成功した。また,従来よりも低いエネルギーの光でターゲット分子を励起三重項状態にすることを実現した。

研究成果は,分子の光励起のエネルギー効率を大幅に向上させる新しい技術であり,今後,新しい光反応制御手法の開発につながると期待される。

研究成果は,10月13日に国際科学誌『Small』に掲載された。
(詳細は、https://www.kanazawa-u.ac.jp)