July, 25, 2014, Trieste--SISSAを含む、イタリアと国際的な研究機関は、高臨界温度で超伝導体の特性の観察と分析に短パルスレーザをベスにした技術を採用した。
この研究は、材料の変わった振る舞いを説明するだけでなく、レーザパルスという手段で超伝導体の特性を制御する可能性にも道を拓く。
超伝導体は、革新的な材料であり、将来的に幅広い技術応用(医療イメージング、トランスポートなど)が期待されている。現在の利用は、超伝導性を示す極低温(絶対零度付近)に限られている。しかし、この材料のある種のものは相対的に高い温度(-200℃程度)で機能する。研究者たちは、このような材料に注目している。その中に、独特の特性を示す銅ベースの超伝導体がある。国際高等研究所(SISSA)、聖心カトリック大学iLamp研究所(Brescia)、Elettra SynchrotronのT-Rex研究所、トリエステ大学物理学部および他の国際研究センタの研究者が行った研究では、これらの材料に一般的な現象、擬ギャップ(pseudogap)として知られている現象を分析した。
「材料が臨界温度を超えるまで加熱されると、そこで超伝導性が出現する。超伝導状態の特性の主要部は失われても、その一部は維持される。この条件を擬ギャップと呼んでいる」とSISSA研究者、Massimo Capone氏は説明している。
研究を行っているチームは、レーザの短パルスを利用して材料に擬ギャップ状態を誘導した。「このような処理により、超伝導体は一時的に金属特性が強くなる、通常はこの条件では現れない状態だ。次に、パルスを遮断し、材料か元の状態に戻ったときにどのように振る舞うかを観察した」。「われわれが誘導したのは、実際、過渡的な状態である。その状態が続いたのピコ秒以下。われわれの理解では、これは電子間の相互作用に関係している。光パルスがこの相互作用を除去し、電子が自由に流れ出し、金属状態が現れる」とCapone氏は説明している。
同氏によると、擬ギャップ状態には電子と電子の相互作用が関係している。「われわれの研究は、レーザ光の使用を通じて、超伝導体の特性を制御し変調する重要な可能性を明らかにすることである」とCapone氏はコメントしている。
(詳細は、www.sissa.it)