October, 7, 2021, Chalmers--チャルマース工科大学の研究チームは、光だけで駆動する微小ビークルの作製に成功した。光メタサーフェスを微小粒子に重ね、光源を使ってそれを制御することで、その微小なビークルを様々に、複雑かつ精密な方法で動かすことに成功した。また、それらを使って他の物体を運ぶことにも成功した
光は微小物体を動かす生来の力を持っている。以前にノーベル賞を受賞した「光ピンセット」というアイデアである。これは、高集中レーザビームを使って、信じられないよな精度で微小な粒子を制御、操作する。
ここでは、研究チームは、一点に集束しない光でも、それを使って微小な粒子を制御された仕方で操作する方法を示した。研究成果は、Nanotechnologyに発表された。
チームは、幅10µm、厚さ1µmスケールでビークルを作製した。ビークルは、「メタサーフェス」として知られるもので被覆された微小粒子で構成されている。メタサーフェスは、注意深く設計され秩序づけられたナノ粒子の超薄配置であり、光を意味深い、普通ではない方法で方向付けるように調整されている。チームは、カメラ、顕微鏡や電子ディスプレイなど先進的なアプリケーションでの魅力的な利用可能性を提案している。通常、静的な物体として考えられがちであり、用途は、光を制御し影響を与える能力として考えられている。しかしここでは、研究チームは、全く異なる見方をしていた。運動における光の変化から来る力を使ってそのメタサーフェスをどのように制御するかを研究した。
研究チームは、その微小ビークルを「メタビークル」と名付け、それらを水皿の底に置いた。次にゆるい集光のレーザを使って、光の平面波をメタビークルに向けた。純粋に機械的なプロセス(光によって生成される熱が硬化をもたない)で、そのビークルは、様々なパタンで動かされた。光の強度と偏光を調整することで研究チームは、ビークルの動きとスピードを高いレベルの精度で制御し、様々な方向で、また8の字など複雑なパタンでナビゲートさせることに成功した。
「ニュートン第三法則によると、全てのアクションに等しい反対方向の作用がある。つまり、光がそのメタサーフェスに当たると、光は新たな方向へ逸らされる。メタサーフェスも他の方向へ押しやられる」と物理学部教授、論文の共著者、Mikael Källは離している。
他の小物体をトランスポート
「そのメタビークルは安定しており、ナビゲーションは、非常に予測可能、制御可能であった。先進的な自動フィードバックシステム、また光源の強度や偏光のさらに高度な制御で、もっと複雑なナビゲーションが可能になる」と研究の主筆、Daniel Andrénは語っている。
研究チームは、そのメタビークルをトランスポータとして使って、小さな粒子をタンクの周りに押し出す実験を実施した。そのメタビークルが、ポリスチレンビーズやイースト粒子を含む物体を水の中で簡単にトランスポートできることを証明した。また、メタビークルそのもののサイズの15倍の塵粒子を押すことにも成功した。
現在、この発見の実用的なアプリケーションは、遙か彼方にある。しかし研究の基本的性質の意味は、その価値が、まだ明らかになっていないということである。
(詳細は、https://www.chalmers.se)