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DTU、量子技術のエラーを防ぐ光チップ

October, 6, 2021, Lyngby--新しい量子フォトニックプロセッサは、エンタングルメントを使って誤りから自己防衛する。研究成果は、Nature Physicsに発表された。

今日のデジタルインフラストラクチャでは、われわれが情報を送り、処理するために使うデータビットは、0または1である。これらのbitを使い計算で起こりうる誤り訂正機能は,情報処理と通信システムの重要部分である。しかし、量子コンピュータは量子bitを使う、これはある種の0と1の混合となり得るが、量子重ね合わせとして知られている。この混合は、そのパワーにとって重要であるが、誤り訂正は、遙かに複雑になる。

DTU Fotonikの研究者は、これまでで最大にして最も複雑なフォトニック量子情報プロセッサをマイクロチップで共同開発した。これは、量子ビットとして光のシングル粒子を使用し、フォトニック量子ビットで様々な誤り訂正プロトコルを初めて実証した。

「われわれは、エンタングルメントを使って自己防衛できるような方法で、量子情報を処理する新しい光マイクロチップを実現した。新しい設計を利用して誤り訂正スキームを実装し、それがわれわれのフォトニックプラットフォームで効果的に機能することを検証した」と論文の共著者、DTU Fotonikポスドク、Jeremy Adcockはコメントしている。

誤り訂正は大規模量子コンピュータの開発のキーとなるので、この研究は需要である。量子コンピュータは,例えば大規模化学シミュレーションや高速マシンラーニング向けの新しいアルゴリズムを解く。

1つの重要アプリケーションは創薬である。今日のコンピュータは、大きな分子やその相互作用、例えば、薬剤分子を人体に導入したときの相互作用をシミュレーションすることはできない。今日のコンピュータでは、古典的計算規模が、関係する分子のサイズで指数関数的になるからである。しかし、未来の量子コンピュータでは、より効率的なアルゴリズムが知られており、演算コストの爆発にならない。

これは、将来の量子技術が解決を約束する問題の1つにすぎない。つまり、従来のコンピュータの基本的限界を超えて情報処理ができるのである。しかし、その目標に到達するためには、微小化が必要である。

「量子技術が古典的コンピュータに対して優位性を示すまでにスケールアップするには、チップスケールデバイスは、重要な一歩前進である。これらのシステムは、可能な最大スピードで動作する数100万のハイパフォーマンスコンポーネントを必要とする。これは、マイクロチップや集積回路でのみ実現できるものであり、最先端の半導体製造産業で可能になる」とDTU Fotonikシニア研究者、論文の共著者、Yunhong Dingは話している。

今日の強力なコンピュータを超える量子技術を実現するには、この技術をさらに大規模にすることが必要である。特に、このチップのフォトン光源は、役立つ規模で量子技術を構築できるほど効率的ではない。

「DTUでは、われわれは現在、これらの光源の効率向上に取り組んでいるところである、現状は、ほぼ1ユニットで、わずか1%の効率である。そのような光源で大幅に規模を拡大した量子フォトニックデバイスを構築し、処理、通信、情報取得において、古典的なコンピュータに対して量子技術本来の物理的利点の恩恵を獲得できるようになる、とJeremy Adcockは説明している。さらに続けて同氏は、「もっと効率的なフォトンソースがあれば、われわれは、より多くの異なるリソース状態を作ることができる。つまり、より大きな、もっと複雑な計算が可能になり、同様に制限のない範囲でセキュアな量子通信が可能になる」と話している。

(詳細は、https://www.dtu.dk)