September, 29, 2021, London--BTは、中空コアファイバケーブルで、世界初の超セキュアな通信方法、QKDトライアル実施により量子セキュア通信の開発で新たなマイルストーン達成を発表した。中空コアファイバは、サウサンプトン大学からのスピンアウト、Lumenisity Limitedが製造。
今夏、BTは、Ipswich BTラボで新しいタイプの光ファイバ、Nested Anti-Resonant Nodeless Fibre (NANF)中空コアファイバのトライアルを始めた。この技術を、セキュアな通信を含む、様々なシナリオで導入する潜在的な利点をテストするためである。トライアルは、Lumenisityが開発、製造したケーブルを使用し、DCIs、エッジおよび5G xHaulなどのアプリケーションで利用されている先進的な通信システムにおける高速取引や帯域増ニーズに対処することが目的。
最新のトライアルで、6km長のLumenisity CoreSmart、中空、中心に空気充填したケーブルで商用装置を使って最先端のQKDシステムの動作にBTは成功した。これにより、遅延や目立ったクロストークを抑えるなど潜在的な利点が明らかになった。クロストークとは、伝送信号が別の信号の伝送と干渉する効果。
ほとんどの光ファイバ通信では、高速信号は、多様な光波長を使用して固体ガラスで大容量伝送される。QKDシステムでは、量子光は、シングルフォトンチャネルで伝送される、一般に「クロストーク」のために個別のファイバを利用する必要がある。クロストークは、高速データチャネルの光が波長を広げ、同じファイバで伝送される量子信号との干渉を起こす。周波数の変化により光チャネルが他のチャネルに漏れ出るからである。その効果は、オーケストラの隣で囁き声の会話と同じであり、音楽のために他の人の声を聞くことが難しくなる。
空気だけで満たされている中空コアファイバには内部材料がないので、シングルフォトンレベルでも、チャネル間に光散乱もクロストークもほとんどない。この明確な分離は、二人の話者とオーケストラの間の壁と同じであるので、高速暗号データストリーム、同じファイバで暗号キーを伝送する弱い量子信号、この両方の伝送が容易になる。
Lumenisityのケーブルは、QKD導入でさらなる利点も実証した。データ暗号化キーを伝送するために商用通信装置を最適化する必要がない。これは極めて重要である。装置が、変更なしで通常通りに使用できるからである。これは、標準ファイバでセキュアな信号を伝送するために付加的な複雑さになる問題である。
BTの光ネットワークResearch長、Andrew Lors教授は、「これは、BTにとって素晴らしいマイルストーンである。世界的に将来の通信システムで重要な役割を担う量子技術でUKのリードを加速するからである。われわれは、量子セキュア通信で中空コアファイバを導入することで実現できる幅広い利点を証明した。中空コアファイバの低遅延、1本のファイバでQKDを伝送できることは、セキュアな通信の未来にとって極めて重要な前進である」と話している。
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