July, 16, 2014, Santa Clara-- オクスフォード大学の研究チームは、相変化材料(アモルファスから結晶状態への変化が可能な材料)の電気特性と光特性間のつながりを研究している。研究チームは、2層の透明電極の間に7nm厚の相変化材料(GST)を挟むことで、このサンドイッチスタック内の画像を微弱電流を使って取り出せることを発見した。
最初に、AFMを使って静止画像を作成したが、研究チームは、そのような微小「スタック」をプロトタイプピクセル的なデバイスに変えられることを実証した。これらナノピクセル(300×300nmサイズ)は電気的に思い通りにON/OFFでき、超高解像度ディスプレイ技術の構成要素を形成するカラードットとなる。研究はまだ初期段階であるが、その可能性が分かったところでオクスフォードの研究チームは特許を申請した。
オクスフォード大材料学教授、ハリシュ・バースカラン氏(Harish Bhaskaran)は「スタック内に像を作り出すことができるが、それだけではない。GSTを薄くするとコントラストが改善される。また、下の電極層のサイズを変えることで画像の色も変えられることを発見した」とコメントしている。
GSTサンドイッチ層は、スパッタリング技術を使って作製。ターゲットに高エネルギー粒子を打ちつけ、ターゲットの原子が別の材料に薄膜として堆積する。
論文の筆頭著者、ペイマン・ホッセイニ氏(Peiman Hosseini)は、「われわれのモデルは、プロトタイプのピクセルを調整して、ディスプレイに必要な原色も含めて思い通りの色を作る実験を予想するに十分である。われわれの設計の優位点は、ほとんどの従来のLCDスクリーンと異なり、すべてのピクセルを絶えずリフレッシュする必要がないことだ。実際に変わったピクセルのみをリフレッシュすればよい(静的なピクセルはそのままでよい)。このことは、この技術をベースにしたディスプレイのエネルギー消費が極めて少ないことを意味する」と説明している。
(詳細は、 www.ox.ac.uk)