September, 8, 2021, Seoul--ソウル国立大学の研究者は、超高解像度大型3D画像を生成するプロジェクションを使用するプロトタイプディスプレイを開発した。新アプローチは、光照射野の限界克服に役立つ。これは、見るための特殊な3Dグラスを必要としない自然な3D画像を生成できる。
「われわれの光学設計により、エンタテーメント、教育および他のアプリケーションで、2Dフラットパネルディスプレイを、3D画像が大幅に強化された、デジタルサイン3D画像で置き換えることが実用的になる。われわれの設計は、例えば映画館で、没入体験できるように変更することも可能である」とソウル国立大学の研究チームリーダー、Byoungho Leeは話している。
Optics Lettersでは、研究チームは、ほぼ回折限界解像度で大型3D画像を投影するために2つの異なる光照射野ディスプレイ技術をどのように統合しているかを説明している。新しいディスプレイは、自動ステレオであり、様々な角度で画像を見ることができるように様々な3D画像を生成している。
「われわれは、デジタル処理なしで、全てのディスプレイ処理を光学的に実行できる方法を開発した。これは、各ディスプレイ技術の限界を相殺して大きなスクリーンに高解像度3D画像を生成できる」(Lee)。
技術の統合
物体から反射される光を実際の視点に対応するように再生することでライトフィールドディスプレイは、機能する。オートステレオライトフィールドディスプレイは、様々な視野角に異なる画像を生成するので、膨大な情報量を処理する必要がある。この要求は、解像度と表示される画像のサイズとのトレードオフになる。ディスプレイのハードウエイが、必要とされる情報量に圧倒されるからである。
この制約を克服するために研究チームは、インテグラルイメージング方式と多焦点ディスプレイを統合した新しい光学的構成を設計した。一般に、多焦点ディスプレイは、高品質立体画像を生成できるが、それを大型スクリーンシステムで実行するのは技術的に難しい。他方、インテグラルイメージングは、拡大画像では優れている。
新設計では、多焦点ディスプレイが高解像度3D、つまり立体、シーンを生成し、一方、インテグラルイメージング技術が大型スクリーンで見るようにそれを拡大する。多焦点ディスプレイとインテグラルイメージング間の情報変換は、全て光学的に行われ、デジタル処理なしである。
「われわれの方法は、単に2つの既存技術を統合することを超えて、ほぼ回折限界の解像度を備えた超解像度立体ライトフィールドディスプレイを達成している。立体シーンを拡大する難しさを効果的に解決する方法も見いだし、インテグラルイメージングに影響を与えがちな情報損失の問題も克服した」(Lee)。
大型高解像度3D画像
プロトタイプシステムの解像度を検証した後、研究チームは立体画像が再構成されたことを定性的に確認した。プロトタイプは、21.4 cm x 21.4 cm x 32 cmの立体画像、28.6メガピクセル相当を統合できることをテストは示した、これは元の画像の36倍高解像度である。
「われわれのアプローチは、非常に効率的な情報処理であるので、低コンピューティングコスト、簡素、高品質、リアルタイムシステム構成を可能にする。その光学設計は、既存のライトフィールドディスプレイで使用されている様々な技術とシームレスに統合可能である」とLeeは話している。
研究チームは現在、オプティクスの最適化、多焦点ディスプレイの複雑さのさらなる低減に取り組んでおり、プロジェクタを一段とコンパクトにする考えである。研究者によると、システムは2つの異なる技術の融合なので、各技術の発展にともない、提案システムのパフォーマンスは、改善される見通しである。
(詳細は、論文“Ultrahigh-definition volumetric light field projection,” Opt. Lett., 46, 17, 4212-4215 (2021).)