September, 7, 2021, 奈良--龍谷大学先端理工学部電子情報通信課程の木村睦研究室では、奈良先端科学技術大学院大学・北陸先端科学技術大学院大学との共同研究で、メムキャパシタと自律局所学習を用いるニューロモーフィックシステムを開発した。
メムキャパシタは、印加電圧の履歴によりキャパシタンスが変化する回路素子で、この研究では、強誘電体キャパシタを用いることで、構造を単純なものとし、Bi3.25La0.75Ti3O12 (BLT)の薄膜の液相プロセスを用いることで、作製プロセスも単純なものとしており、将来の高集積化が容易となる。従来の大規模な模倣回路やメモリスタ(可変抵抗素子)の代わりに、メムキャパシタ(可変容量素子)を用いるため、DC電流が無く、過渡電流も減り、電力消費が大幅に減る。
また、自律局所学習は、単一素子が自分自身の駆動条件のみで特性を変化させる学習方式であり、やはり将来の高集積化が容易となる。従来のシナプス素子の結合強度の制御回路など無しに、メムキャパシタの電圧履歴のキャパシタンス特性を上手く利用することにより、メムキャパシタだけで、ニューロモーフィックシステムに学習させることができる。
従来の人工知能と比べると、劇的なコンパクト化・低電力消費が期待できる。
(詳細は、https://www.ryukoku.ac.jp/)
論文
英文タイトル:Neuromorphic System using Memcapacitors and Autonomous Local Learning
タイトル和訳:メムキャパシタと自律局所学習を用いるニューロモーフィックシステム
掲載誌:IEEE Transactions on Neural Networks and Learning Systems (TNNLS)