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UV光伝送用ホローコア光ファイバ

July, 11, 2014, Erlangen/Braunschweig--イオンや原子の分光分析研究などの用途では、紫外線(UV)領域の光が必要になるが、この種の光は従来の光ファイバには直ぐさま損傷を与える。
 マックスプランク光科学研究所(MPL)、QUEST研究所、PTBの研究グループは、新しいタイプのホローコア光ファイバをテストし、このタイプの光ファイバが損傷を受けることなくUVレーザ光を導波できることを示した。損失は許容範囲だった。この研究は、多くのアプリケーションにとって興味深いものであり、原子やイオンの精密分光、光原子時計、量子コンピュータ、生物学の蛍光顕微鏡、プロセスプラズマの研究、すすの燃焼研究、グリーンハウスガスの分光などもアプリケーションとして考えられる。
 光ファイバは、通常固体のガラスコアを持つ。このガラスコアは光学的に薄い材料で被覆されている。物理法則から、全反射によって光ビームがそのようなファイバ内に閉じ込められることは確実。また、大きな損失なく、光が長距離伝搬されることも確実である。 
 しかしUV光は波長が短いので、ほとんどの種類の光ファイバで用いられるガラスでは吸収が強く、たちまちUV光で損傷を受ける。
 MPLで、数年にわたり他のタイプの光ファイバとともに実験を行った。現在、ある種の光ファイバが特に、UV光に最適であることが分かっている。マイクロストラクチャード光ファイバ(PCF)、いわゆる「カゴメ構造」、規則的に並んだ三角形と六角形で構成された特別なパタン、直径20µmのホローコアだ。このコアが、光のシングルモード導波を保証する、つまり空間強度分布がガウシアン釣鐘曲線と同じになる。重要な問題は、この伝搬が本当にシングルモードであり損傷がないかどうかを知ることだった。これが、PTBのQUEST研究所の計測専門家が見つけ出さなければならなかったことである。使用したUV波長は280nm。このUVビームの場合、シングルモード伝搬が可能であり、出力15mWで100時間以上動作の後でもUVによる損傷は検出されなかったことが示された。
 この光ファイバは最初のアプリケーションテストを通過した。QUEST研究所の研究チームは、これらのファイバをトラップイオンの分光研究に使用することに成功した。この新しいファイバで安定化されたUVレーザビームによって、イオンの内部状態調査が改善された。そのような分光法の利用者だけでなく、これは量子コンピュータを開発している研究者にとっても有用である。そのような分野では、粒子の内部状態が新しいデジタル0sと1sとなるからである。
(詳細は、Optics Express)