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新アルゴリズム、ドローンを人間レーシングパイロットよりも高速に

August, 4, 2021, Zurich--自律飛行クワドロータが、ドローンレースで初めて二人の人間パイロットを凌いだ。成功は、チューリッヒ大学(University of Zurich)の研究チームが開発した新しいアルゴリズムに基づいており、ドローンの限界を十分に考慮した時間最適軌道を計算している。

有用であるにはドローンは迅速でなければならない。バッテリ寿命は限られているので,ドローンは、可能な最短時間でどんなタスクも完了しなければならない。災害サイトの生存者探索、ビルの点検、荷物のデリバリ。など。また、ドローンは、窓、部屋、あるいは特定の場所など一連の中間点を通ることでそれを実行しなければならないので、ベストの軌跡、最適加速あるいは減速を各セグメントで採用することになる。

アルゴリズムがプロのパイロットを凌ぐ
ドローンの最高の人間パイロットは、これを極めて上手くこなし、ドローンレースではこれまでは常に自律システムを凌いでいた。今回、チューリッヒ大学の研究グループが、周回の一連の中間点を通してクワドロータ(4プロペルドローン)をガイドする最速軌跡を見つけることができるアルゴリズムを開発した。「われわれのドローンは、実験レーストラックで、二人の世界最高クラスパイロットの最速ラップを出し抜いた」とUZHロボット工学&近くグループ長、Davide Scaramuzzaは説明している。

「アルゴリズムの新しさは、それが初めてドローンの限界を十分に考慮した時間最適軌跡を生成することである」(Scaramuzza)。以前の研究は,クワドロータシステムまたは飛行経路表示のいずれかの単純化に依存しており、したがって準最適であった。「重要なアイデアは、飛行経路セクションを特定中間点に割り当てるのではない。われわれのアルゴリズムは、ドローンに全ての中間点を通過するように指示するが、それをどのようにするか、何時するかではない」と論文の筆頭著者、Ph.D学生、Philipp Foehnは説明している。

外部カメラがリアルタイムで位置情報を供給
研究グループは、そのアルゴリズムと二人の人間パイロットにレースサーキットで同じクワドロータを飛行させた。チームは,外部カメラを利用して、ドローンの動きを正確に捉え、自律ドローンの場合には、アルゴリズムにいつでもドローンが存在する位置についてリアルタイム情報を与えた。公正比較を保証するために、人間パイロットは、レース前に、サーキットで訓練する機会を与えられた。しかし、アルゴリズムの勝ちだった。ラップの全ては、人間パイロットよりも速く、パフォーマンスは一貫していた。これは驚くに当たらない。アルゴリズムは、一度ベストの軌道を見つけると、何度も忠実にそれを再現できるからである。人間のパイロットと同じではない。

商用アプリケーションの前に、そのアルゴリズムは,必要な計算量を少なくしなければならない。現在、コンピュータがドローンの時間最適軌跡を計算するのに1時間かかるからである。また、当座は、ドローンは、現在位置を計算するのに外部カメラに依存している。将来的には、オンボードカメラを使うことになる。しかし、ドローンが原理的に人間のパイロットよりも高速に飛行できるという実証は、前途有望である。「このアルゴリズムには、膨大なアプリケーションがある。ドローンによる荷物の配達、検査、探索やレスキューなどである」(Scaramuzza)。
(詳細は、https://www.media.uzh.ch)