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EPFLとUCSB、集積光周波数コムのスケーラブル製造

July, 5, 2021, Santa Barbara--EPFLとUCSBの協働で、待望のブレイクスルーを達成し、マイクロプロセッサやメモリチップ構築に使用されるCMOS技術を実証した。それは、チップスケール光周波数コムのウエハスケール製造を可能にする。

光周波数コムは、等間隔レーザラインでできた光周波数で構成されている。それらはすでに、周波数計測、タイミング、分光学の分野に変革をもたらしいている。EPFLのTobias J. Kippenberg教授ラボによる「ソリトンマイクロコム」の発見は、過去10年で、周波数コムのチップでの生成を可能にした。このスキームでは、シングル周波数レーザが、散逸カーソリトンと呼ばれる超短パルスに変換される。

ソリトンマイクロコムは、チップスケール周波数コムであり、コンパクト、省エネ、広帯域である。コム「ティース」の大きな間隔を比較すると、マイクロコムは、幅広いアプリケーションに比類なく適している。データセンタのテラビットコヒレント通信、太陽系外惑星探査向けの天文分光計や神経形態学コンピューティング、光原子時計、絶対周波数シンセサイザ、パラレルコヒレントLiDARなど。

とは言え、一つの未解決の課題は、レーザ光源の集積である。マイクロコムは、パラメトリック周波数変換(1周波数の2光子が消滅させられ、2つの新しいフォトンペアが、より高い、また低い周波数で生成される)によってチップ上で生成されるが、ポンプレーザは一般にオフチップであり大きい。マイクロコムとレーザを同一チップに集積することにより、ソリトンマイクロコムの量産が可能になる。これには、シリコンフォトニクス向けに開発され十分に確立されたCMOS技術を使うが、これは過去10年未解決の課題だった。

ソリトンマイクロコムが形成される非線形光マイクロ共振器では、窒化シリコン(Si3N4)が、主要プラットフォームとして出てきた。それが超低損失であり、可視から中赤外まで広い透明ウインドウ、2光子吸収の欠如、ハイパワーハンドリング能力によるものである。しかし、超低損失Si3N4マイクロ共振器の実現は、チップスケールソリトンマイクロコムの量産にはまだ不十分である。チップスケール駆動レーザの共集積が必要となるからである。

15年前に、UCSBの電気、材料教授、John Bowersが、シリコンウエハにレーザを集積する方法を開発した。シリコンは間接バンドギャップであり、発光できないので、研究者はレーザ利得セクション形成のために、InP半導体をシリコンウエハに結合する。この異種集積レーザ技術は、今では、光インタコネクトに広く導入されており、データセンタのサーバ間を接続する銅線インタコネクトに取って代わっている。この変革的レーザ技術は、すでに商用化されており、Intelは年に数百万のトランシーバ製品を出荷している。

Scienceに発表された記事では、EPFLとUCSBの2つの研究所が、超低損失Si3N4フォトニック集積回路(EPFLで製造)と半導体レーザ(UCSBで製造)とをウエハスケールCMOS技術による初の異種集積を証明している。

その方法は主に、Si3N4基板上へのシリコンとInPの多重ウエハ結合に基づいている。DFBレーザは、シリコンとInP層上に作製される。1個のDFBレーザからの単一周波数出力が、下のSi3N4マイクロ共振器に供給され、そこでDFBレーザはソリトンマイクロコム形成のシーズとなり、数十の新しい周波数ラインを生み出す。

このウエハスケール異種プロセスは、単一の100㎜径ウエハから1000を超えるチップスケールソリトンマイクロコムデバイスを作り出すことができ、商用レベル製造に役立つ。個々のデバイスは、完全に電気制御される。重要な点は、製造レベルは、さらに業界標準200㎜あるいは300㎜径基板にまで拡張可能なことである。

「われわれの異種製造技術は、3つの主流集積フォトニクスプラットフォームを統合する、つまりシリコン、InPおよびSi3N4である。また、チップベース周波数コムの大量、ローコスト製造の下準備となる。用途は、次世代大容量トランシーバ、データセンタ、センシングおよび計測である」とDr Junqiu Liuはコメントしてる。同氏は、EPFLのCenter of MicroNanoTechnology (CMi)でSi3N4製造を主導している。

(詳細は、https://actu.epfl.ch)