July, 4, 2014, Boston--ボストン大学などの研究チームは、高速、高効率、高忠実テラヘルツ(THz)イメージングシステムを可能にする新しいメタマテリアルを開発した。
ボストン大学物理学Willie Padilla教授によると、これは「多重」チューナブル空間光変調器(SLM)で、フィルタ状の「マスク」を使って複数のTHzサンプルを読み出し、それらを単一ピクセルディテクタで再構築する。
これらのエンコードされた、測定から得たデータを利用して、コンピュータで画像を再構成する。これは従来のラスタスキャンTHzデバイスよりも6倍高速である。Padilla氏によると、このシステムは、ニューメキシコ大、デューク大学と共同開発した効率的な低出力光源を採用している。
メタマテリアルは、チューナブル光特性を持つデザイナー電磁材料であり、新しい方法で光波との相互作用を可能にしている。その固有の特性は、THz光波に作用することが示されている。THz波は、可視光よりも長い波長であり、したがって新しいイメージング技術を必要としている。
Padilla氏によると、研究チームはメタマテリアルを使って初期のTHzカメラ設計よりも優れたイメージングアーキテクチャを開発しようとしている。従来のTHzカメラは、イメージ収集に高価で大きなディテクタアレイを使用している。
研究チームの先進的なデバイスの中心には、ニューメキシコのハイテク材料センタの研究者が開発した独自のメタマテリアル構造から造った空間光変調器(SLM)がある。SLMは、一連のマスクを使って、THz領域からのイメージ情報を選択的に取得するもので、他の方法では扱いにくいTHz波を効果的に処理できることが実証されている。
このメタマテリアルSLMは、2つのメタマテリアル層の間に電気的に制御された電圧を印可すると、THz照射を効率よく変調し、この光特性を効果的に変換して、THzイメージを取り出すように設計されたエンコーディングマスクを能動的に表示する。そのようなエンコーディング技術によって、研究者は負のエンコーディング値にアクセスできるようになり、これによって一段と高忠実なイメージ再構築が可能になる。
負のエンコーディング値は一般に位相感度のある光源やディテクタ、マルチディテクタを必要とし、画像を作るためには計測数が2倍になる。研究チームは、追加の装置や計測無しで「マスク」を実現した。これによって研究チームは、よりロバストなイメージエンコーディング方を使うことができるようになり、画像取得に必要な時間を減らしながら、画像品質を高めることができた。
(詳細は、www.bc.edu)