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ナノテクOLED電極、20%以上の光を解放、ディスプレイの電力消費削減

June, 29, 2021, Ann Abor--ミシガン大学の研究者によると、5nm厚の銀と銅層が、コストをかけずに従来のインジウムスズ酸化物(ITO)を凌ぐ。

ミシガン大学で、OLEDからの光を20%以上解放する新しい電極が開発された。これは、スマートフォンやラップトップのバッテリ寿命延長に役立ち、次世代TVsやディスプレのエネルギー効率を著しく改善する。

同アプローチは、OLEDの発光部分に光がトラップされないようにするので、OLEDsは、電力消費を下げながら輝度を維持することができる。加えて、その電極は、OLEDディスプレイや照明器具を製造する既存プロセスに容易に組み込める。

エンジニアが対応策をとらなければ、OLEDが生成する光の約80%は、デバイス内部にトラップされる。それは、導波として知られる効果によるものである。本質的に、垂直に近い角度でデバイスから出てこない光線は反射され、デバイス横に誘導され、結局OLED内部で失われる。

失われる光のかなりの部分が、光エミッタ両サイドのいずれかの電極間にトラップされるだけである。最大の元凶の一つは、発光材料とガラスの間の透明電極、一般にITOである。ラボデバイスでは、トラップされた光が、ビューアに進んでくるのではなく、次々に横に放出されるのを見ることができる。

「処置されないと、それかOLEDにおける最強の導波層になる。われわれは、その問題の根本原因に対処したい」とGuoは話している。

ITOを、銅のシード層に成長させた、わずか5nm厚の銀層にスワップアウトすることで、チームはOLED層の導波問題を除去し、同時に電極機能も維持した。

「業界は、40%以上の光を解放することができるだろう。一部は、従来のITO電極をわれわれのナノスケール層の透明銀と交換することだ」と論文の筆頭著者、Changyeong Jeongは説明している。

この利点は、比較的シンプルなラボデバイスでは、見ても微妙である。光は、OLEDスタックで、もはや誘導されないとしても、その解放された光は、まだガラスから反射される。業界のエンジニアはその反射を低減する方法を持っている。ガラス表面にバンプを作る、あるいはグリッドパタン、粒子を加え、ガラスを通して光を散乱させる。

「一部の研究者は、特別な放出方向あるいはパタン構造を持つ従来とは違う材料を使って光を約34%解放することができた」とJeongは話している。

発光体における導波を除去したことを証明するためにGuoのチームは、ガラスによる光のトラッピングも止めなければならなかった。チームは、ガラスと同じ屈折率を持つ液体、いわゆる屈折率整合液、この場合はオイルを使うことで実験セットアップにより実行した。その「屈折率整合」は、高屈折率ガラスと低屈折率空気の間の界面で起こる反射を阻止する。

これを実行すると、横からその実験セットアップに注目し、光が横に出ないかどうかを見ることができた。発光層の端がほぼ完全に暗いことを確認。すると、ガラスから出る光は約20%明るくなっていた。

研究成果は、ScienceAdvancesに発表された。
ミシガン大学は、特許を申請している。

(詳細は、https://news.umich.edu)