Science/Research 詳細

1.25億ギガビット毎秒、ポート数10万超の世界最大容量の光スイッチ技術

June, 8, 2021, つくば--産業技術総合研究所(産総研)プラットフォームフォトニクス研究センターの 松本 怜典 研究員らは、同研究センターで開発したシリコンフォトニクス光スイッチ(光スイッチ)におけるポート間クロストーク(クロストーク)の影響を詳細に解析し、131,072ポートの光スイッチネットワークにおいて世界最大の光スイッチ総容量1.25億Gb/sを達成できることを示した。これは、ブルーレイディスク60万枚以上の情報を1秒間に伝送できる容量に相当し、大容量・低遅延な次世代情報インフラストラクチャーの基盤技術としての利用が期待される。

次世代大規模データセンタ・スーパーコンピュータを実現する上で、電気スイッチよりも二桁以上優れたエネルギー効率を示し、信頼性・量産性に優れる光スイッチに期待が高まっている。比較的小規模な光スイッチを多数用いれば大規模化が可能であるが、これまではクロストークなどが制限要因となり、実用に向けた障壁となっていた。今回、産総研が開発した世界最大規模の32×32ポートの光スイッチを使用し、広帯域光信号が同光スイッチを9周伝送する周回伝送実験を行ったところ、良好な品質を示し、上記の結果を得た。さらに、クロストークが光スイッチ内でどのように振る舞うかを統計的に解析し、光スイッチのポート数を最大化する一般論を確立した。これらの成果は、次世代データセンタ・スーパーコンピュータに求められる光スイッチの必要条件を満たしており、光スイッチの適用可能性を大きく広げると期待される。

この技術の詳細は、2021年6月6日(日) から10日(木)までオンラインで開催される国際会議「OFC2021 (The Optical Networking and Communication Conference & Exhibition 2021)」で発表される。

(詳細は、https://www.aist.go.jp)