June, 27, 2014, Arlington--テキサス大アーリントン校の研究チームは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を持つ退役軍人学生が、単純な記憶作業から情報を取り出すように要求されたとき、ポータブル脳マッピング機器を使って前頭前野活動に限界があることを示すことに成功した。生体工学教授、ハンリ・リュウ氏(Hanli Liu)とアレクサ・スミス-オズボーン(Alexa Smith-Osborne)助教授の研究チームによる成果は、NeuroImage: Clinicalに発表されている。
研究チームは、機能的近赤外分光計を用いて、数字の学習と記憶の再生に関わる認識活動の間に、脳活動の反応をマッピングした。
スミス-オズボーン助教授は、この成果を退役軍人の治療勧告に利用した。同氏は、同校の学生ベテランプロジェクトの主席研究員。同プロジェクトは、学生および大学に復帰することを考えている退役軍人に無料でサービスを提供している。「治療後にこれらの退役軍人学生を再テストすると、著しい改善が見られた」と同氏はコメントしている。
この研究は学際的であり、客観的な脳イメージングを神経障害と社会活動に関わらせている。
同大工学部学長、ホスロー・ベベハーン氏(Khosrow Behbehani)は、この共同研究について「研究者が脳の酸素レベルを客観的に測定し、心的外傷やストレスによって悪影響を受けていた可能性がある脳機能の一部に、それを関連づけることができるようになる」とコメントしている。
多くの神経心理学研究が学習障害をPTSDに関係づけている。例えば、記憶の喪失、注意欠陥、学習障害などだ。
この新しい研究には、これまでにPTSDと診断された16人の戦闘経験者が参加した。これら16人は、認識や学業に影響を与える苦痛や機能障害を経験している。退役軍人は、コンピュータで数字整序問題を行い、研究者は近赤外分光計、非侵襲神経画像技術で被検者の脳の活動をモニタした。PTSDを持つ参加者が、制御グループと比較して、与えられた数字の想起で著しい困難を経験していることが明らかになった。この欠陥は、右前頭前野の一部の機能不全に密接に関係している。研究グループは、近赤外分光計がPTSDに関連する認識機能不全の測定に効果的なツールであると判断した。
スミス-オズボーン助教授は、「その情報により、精神ヘルスケアを提供する者は、個人に最適となるように治療計画を調整できる。これは、万能の治療計画ではなく、治療を受ける者が学習尺度のどこにいるかに基づいて、集中的に調整すべきである」とコメントしている。