May, 12, 2021, 大阪--大阪大学大学院基礎工学研究科の冨士田誠之准教授、永妻忠夫教授、Daniel Headland招へい教員(当時:特任研究員(常勤))らは、オーストラリア アデレード大学Withawat Withayachumnankul准教授(大阪大学大学院基礎工学研究科招へい教員を兼務)と共同で、シリコンを用いた小型テラヘルツ合分波器の開発に成功した。
電波と光の中間領域の周波数を有する電磁波であるテラヘルツ波は、次世代の移動体通信6Gなどの超高速無線通信への応用が期待されているが、そのデバイス技術が未熟という課題がある。特に、超大容量通信の実現に向けて、複数のチャネルを用いた情報伝送を可能とする信号多重化技術が必要であり、テラヘルツ信号を合成・分離する合分波器の開発が求められている。
研究グループは、誘電体としてのシリコンに着目し、テラヘルツ波のトンネリング現象を利用することで、300ギガヘルツ帯の4チャネル合分波器の開発に成功した。デバイスの大きさは、約4cm2と極めて小型であり、テラヘルツ波を用いた超大容量通信の各種応用展開を切り拓く成果であると言える。
研究成果は、米国科学誌「Optica」に2021年4月29日(木)午後11時(日本時間)にオンライン出版された。
(詳細は、https://resou.osaka-u.ac.jp)