May, 11, 2021, Washington--フリースペース光通信システム(FSO)レシーバのわずかな変更により、都市環境におけるビル間で高速、低エラー通信が可能になる。
FSOは、囲まれていないエリアで、ライセンスフリー、干渉フリーデータ伝送に広く利用される可能性かある。オープンエア媒体でレーザビームを使うことで、FSO伝送は、有線リンクの必要性を排除する。
陸上FSO伝送についての以前の研究は、屋内か、2つの山頂間など、大気の影響がほとんどないエリアに焦点を当てていた。20年前、都市環境でFSO通信の初期活動があったが、技術的な課題とRFワイヤレスおよび有線ソリューションとの競合により、勢いを失った。FSO通信への関心は、再び高まっている。技術の改善、有線ソリューションが困難なところでの高帯域サービスが成長の原動力である。
これら新開発の最前線で、Yueying Zhanのチームが、北京のビル間で超高精細ビデオストリーム1000秒リアルタイムFSO伝送を達成した。研究成果は、6月6-11日、OFC2021で発表される。
「都市環境では、山など他の場所よりも大気チャネルでは、工場、自動車排気ガス、他の要素の影響により、粒子やホコリが多い。こうした要素は、光信号の著しい減衰となり、受信パワーが著しく低下する」とZhanは指摘する。
研究グループは、システムの送信側ではSSMFを利用して、FSO信号16超高精細ビデオストリームを送信した。システムの重要なアップグレードは、レシーバ側にあった。研究グループは、SMFではなくOM4マルチモードファイバ(MMF)を使った。その結果、信号結合効率は10dB向上した。
エラーのほとんどないビデオ伝送は、その日の様々な部分、異なるシーズン、多様な天候条件で実証された。
テスト範囲は、高密度都市部環境における障害のために、2.1kmに限定されていた。2.1km実証におけるハイパワーマージンから、研究者によると、この距離は簡単に延長できる。
「FSOは、光ファイバ通信の補完と見なせる」(Zhan)。
例えば、FSO通信を使って、帯域が不十分なエリア、複雑な地形が有線通信の利用を制限するエリアへの通信アクセスを拡大することができ、これにより高速で柔軟なブロードバンドソリューションが実現する。
Zhanによると、レーザ通信は、サテライト間、深宇宙通信の主要方法になり、RFやマイクロ波通信の増強になる。
現在、グループは、エラー訂正用にチャネルコーデイングを利用するシステム性能改善、また、それを地上と宇宙通信の両方に適用することに取り組んでいる。