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タンデムPV、III-V/シリコンソーラセル35.9%効率

May, 7, 2021, Freiburg--Fraunhofer ISEは、40年前から太陽光発電(PV)で最先端の研究を行っている。同研究所は、様々な材料クラスで記録的なセル効率を継続して発表し、太陽光発電のコスト削減に重要な貢献をしてきた。
 材料利用とともにPV導入に必要な面積をさらに縮小することを狙って、Fraunhofer ISEは、タンデムPVに焦点を当てている。このセル技術により従来の効率限界は超えることができる、さまざまなソーラセル材料を選択的に組み合わせるからである。研究チームは、III-V/シリコン半導体でできたモノリシックタンデムセルで新たな世界記録樹立に成功した。

新しいモノリシックトリプルジャンクションソーラセル、III-V/Siタンデムソーラセルは、太陽光の35.9%を電気エネルギーに変換する。地上AM1.5gスペクトル下で計測されたこの値は、新記録であり、SiベースタンデムPVの潜在性を立証している。新記録太陽電池では、III-V半導体層が、シリコンサブセルに原子レベルで直接接続されている。外側からは、その記録的セルは、2端子の従来型ソーラセルに似ている。この2端子セルは、機械的にスタックされた構造の最良4端子ソーラセルと同等の効率を達成している。これは、2017年に、NREL、CSEM および EPFLが共同発表したものである。「新しい化合物半導体(GaInAsP)を中間セルに利用するのが、効率向上達成成功の重要ステップであった。その新材料により、荷電キャリアの寿命をさらに改善し、一層高いセル電圧を達成することができた。われわれの材料開発が、III-V/Siトリプリルジャンクションソーラセル改善にいかに貢献したかを目にするのは素晴らしいことだ」とFraunhofer ISEのIII-V PVと集光型技術部、博士課程学生、Patrick Schygullaはコメントしている。

高効率III-V/Siタンデムセルの最初のアプリケーションは、面積当たりの発電が重要な役割をもつところ、例えば電気駆動航空機やドローンにある。現在、新しい電池の製造コストは、従来タイプのシングルジャンクション結晶シリコンソーラセルよりも著しく高い。これは、III-V層の複雑なエピタキシステップ、セル製造に必要な多くの付加的半導体プロセスによるものである。研究チームは、今後、製造のさらなるコスト効果向上、地上PV市場に対処するために精力的に取り組んでいる。

「SiにIII-V半導体材料を統合することは、タンデム構造でわれわれが追及していたアプローチの1つである(つまり、異なる高性能材料の統合)。目的は、ソーラセルの効率向上達成。ここに紹介したようなタイプのソーラセルからできたPVモジュールが市場で利用できるようになるまでには数年を要するが、これはPV拡大を背景とした重要な、先を見据えた道である」とFraunhofer ISEディレクタ、Andreas Bettはコメントしている。

(詳細は、https://www.ise.fraunhofer.de)