April, 27, 2021, Lausanne--EPFLをリーダーとする物理化学者、化学工業チームは、化学的調整を利用して、ペロブスカイトソーラセルのパワー変換効率と動作安定性をそれぞれ25.6%、少なくとも450時間に押し上げた。
ペロブスカイトは、金属ハロゲン化物と有機成分からなるハイブリッド化合物。その魅力的な構造と電子特性により、ペロブスカイトは材料研究の最前線にある。ソーラセル、LED光、レーザおよびフォトディテクタを含む広範なアプリケーションで大きな潜在性がある。
金属ハロゲン化物ペロブスカイトは特に、薄膜フォトボルテイクス(PV)のための光ハーベスタとして大きな可能性を示している。金属ハロゲン化物ペロブスカイトの主要候補の1つは、チタン酸鉛(FAPbI3)。これは、高効率で安定したソーラセルの最も有望な半導体として登場してきた。したがって、研究者は、その性能と安定性を最大化しようとしている。
今回、EPFL基礎科学部Michael Grätzel 教授をリーダーとするチームが、FAPbI3のパフォーマンスを大幅に強化する新しい化学的トリックを利用した。このアプローチの利用で、ソーラセルデバイスのパワー変換効率は最大25.6%、動作安定性は少なくとも450時間、また強いエレクトロルミネセンスが実現した。外部量子光率(電流が通過するときのセルが生成する光量)は、10%を超えている。成果は、Natureに発表された。
研究チームは、FAPbI3膜を増強し、欠陥を除去する結晶化度“アニオンエンジニアリングコンセプト”でこれを達成した。擬ハロゲンギ酸アニオン(HCOO-)を混合物に導入することで、通常は粒子境界やペロブスカイト膜の表面に存在する構造的欠陥を抑制することができた。
研究チームは、「われわれの成果は、金属ハロゲン化物ペロブスカイトに存在する最も多い、有害な格子構造を除去する直接的なルートである。これにより、溶液処理可能な向上したオプトエレクトロニック性能の膜に容易にアクセスできる」とコメントしている。
(詳細は、https://actu.epfl.ch)