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トロント大学、安価で軽量な太陽電池を開発

June, 24, 2014, Tronto--トロント大学電気&コンピュータ工学部の研究チームは、新しい種類の太陽光に感度のあるナノ粒子を設計しテストした。
 固体で、安定的なナノ粒子のこの新しい形態は、コロイド量子ドット(QD)と言われており、安価で柔軟な太陽電池になるだけでなく、優れたガスセンサ、赤外レーザ、赤外LEDにもなる。
 この微小なコロイドQDを用いた太陽光集光は2つのタイプ、nタイプとpタイプの半導体に依存する。問題は、空気に触れるとnタイプの材料が酸素原子と結合し、電子を奪われてpタイプになってしまうことである。
 ポスドク研究者、Zhijun Ning氏の研究チームは、空気に触れても酸素と結合しない新しいコロイド量子ドットnタイプ材料をモデル化し、実証した。
 安定したnとpタイプの層を同時に維持することで光吸収効率を高めるだけでなく、光と電気の最良の特性を利用する新しいオプトエレクトロニクスの世界も開ける。研究チームによると、これはより高度な気象衛星、リモートコントローラ、衛星通信、公害検知器の実現につながる。
 「これは材料イノベーションである。この新しい材料で新しいデバイス構造を作ることができる。ヨウ化物は、この量子太陽電池にとって、高効率と空気安定性の両面で、ほぼ完璧な配位子だ、これを明らかにしたものは誰もいなかった」とNing氏はコメントしている。
 このハイブリッドnタイプ、pタイプ材料は太陽光変換効率、8%を達成。これまでに報告されたなかで最高となる。
 この新しいQDベース太陽電池アーキテクチャで、パフォーマンス改善は始まったばかりである。この小さな、強力なドットはインクに混ぜ、屋根板のような薄い、柔軟な表面に塗ったり印刷したりすることができる。
(詳細は、www.utoronto.ca)