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新しい微小エレクトロニクスにつながる寿司巻き型2Dヘテロ構造

April, 7, 2021, University Park--Penn Stateと東京大学のチームによると、最近の1次元ファンデルワールス(van der Waals)ヘテロ構造、1原子厚の2D材料を層化して作製した一種のヘテロ構造は、現在は可能ではない、新しい微小エレクトロニクスにつながるかも知れない。

エンジニアは通常、ヘテロ構造を造って、単一材料では利用できない、新しいデバイス特性を達成する。ファンデルワールスヘテロ構造は、Legoブロック、あるいはサンドイッチのように相互に直接スタックされた2D材料でできたものである。ファンデルワールス力は、非電化性分子あるいは原子間の引力であり,物質を結合させている。

ペンステート、工学・科学・力学教授、Slava V. Rotkinによると、研究チームが造り出した1次元ファンデルワールスヘテロ構造は、これまでにエンジニアが造ったファンデルワールスヘテロ構造とは違っている。

「それは、完全な円筒形に巻かれた2D層化材料のスタックのようである。言い換えると、サンドイッチを巻くと、全てのものがその中に巻かれて身動きできなくなっているが、この場合は、薄い円筒形になっていて、ホットドッグや長い巻き寿司のようにコンパクトである。この方法では、2D材料は、所望の垂直ヘテロ構造シーケンスでまだ相互に接触しており、その横側エッジは気にする必要がなく、完全に巻かれている。これは、超小型デバイスの実現にとって重要なことである」(Rtkin)。

チームの研究は、ACS Nanoに発表された。これは、全ての2D材料がこの1Dヘテロ構造シリンダ、ヘテロナノチューブに巻くことができることを示唆している。東京大学は、最近、ヘテロナノチューブで電極を作製し、それが非常に小さなダイオードとして機能することを実証した。そのサイズにもかかわらず、高性能である。

これは、微小エレクトロニクス向けに潜在的に新しい種類の材料を開く。

「2D材料のデバイス技術を新たなレベルに高め、新世代の電子とオプトエレクトロニクスデバイスの両方を可能にする」とRotkinは話している。

そのプロジェクトへのRotkinの貢献は、特に困難なタスクを解決したこと。1Dファンデルワールスヘテロ構造シリンダが全ての必要とされる材料層を持てることを確実にした。

同氏によると、中央の絶縁層がないことは、デバイス合成の失敗を意味する。Rotkinの方法は、中央の殻がデバイスの全長に沿って存在することが明確に示している。

通常のフラットなファンデルワールスヘテロ構造では、ある層の存否を確認することは、簡単にできる。それらがフラットであり、広い面積だからである。つまり研究者は、様々なタイプの顕微鏡を使って、その広い平坦なエリアから多くの信号を収集できる。したがって簡単に見えるのである。研究者がそれらを、1Dのファンデルワールスヘテロ構造のように巻くと、細いワイヤのようなシリンダになる。それはほとんど信号を発せず、実際に不可視になるので、評価は難しい。加えて、その半導体-絶縁体-半導体ダイオードジャンクションにおける絶縁層の存在を証明するためには、そのヘテロナノチューブの外殻だけでなく中央部分も分解する必要がある。しかし、中央部分は、硫化モリブデン半導体の外殻によって完全に遮蔽されている。

これを解決するためにRotkinは、散乱スキャニング近接場光学顕微鏡を使った。これは、材料研究機関の2D結晶コンソーシアムの一部であり、これによりナノスケールサイズの物体を「見る」ことができ、材料の光学特性を確定できる。同氏は、ナノメートル分解能のハイパースペクトルイメージングとして知られるデータ解析法も開発した。これは、様々な材料を区別することができ、したがって、1Dダイオードをその長さ全体で構造テストができる。

同氏によると、これは、ヘテロナノチューブの一部として六方晶窒化ホウ素(hBN)を光学的に分解した初のデモンストレーションである。遙かに大きなピュアなhBNナノチューブは、多くのhBNシェルで構成されていて他の種類の材料は存在しない。これらは、以前は、同様に顕微鏡で調べられた。

しかし、その材料のイメージングは、Rotkinが以前に行ったものとは全く違っている。「有益な結果は、その物体からの光スペクトルを計測するわれわれの能力の証明にある。それは、わずか2nm厚のワイヤの内殻である」と同氏はコメントしている。

Rotkinは、この研究をハイパースペクルイメージングに拡張し、ガラス、様々な2D材料、タンパク質小管やウイルスなどの分解能をさらに改善する計画である。

(詳細は、https://news.psu.edu)