April, 5, 2021, 東京--株式会社建設技術研究所は、QST認定・理研ベンチャーの株式会社フォトンラボとの業務提携、量子科学技術研究開発機構(QST)との共同研究の成果により、道路トンネルの定期点検業務において、人力打音検査を代替え・定量化する「レーザ打音検査装置」を国内で初めて診断支援に活用した。
国内初の社会実装「レーザ打音検査装置」
発表したのは、一般的に変状が多く発生することが知られているトンネル覆工コンクリート目地部について、「レーザ打音検査装置」を用いた計測と診断支援。これは、量子科学技術研究開発機構と共同研究を進めてきた「レーザ誘起振動波計測(レーザ打音)技術によるコンクリート診断の高度化に関する研究」の成果に基づいている。
「レーザ打音検査装置」では、ハンマーの代わりに覆工コンクリートを振動させる「振動励起レーザ」と耳の代わりに振動を計測する「振動計測レーザ」の2種類のレーザを用いて、打音検査を遠隔・デジタル化する。
今回は、人力打音の結果、内部損傷が懸念される箇所について、「レーザ打音検査装置」を用いた計測を行い、定量的なデータとして記録するとともに、損傷を模擬した供試体の計測データと比較することで、内部損傷の診断の品質向上に活用した。
今回の「レーザ打音検査装置」は、トンネルの覆工コンクリートに着目して開発されたものだが、建設技術研究所は、「今後はさまざまなインフラ構造物等への適用を進めるとともに、人の手だけに頼らない安全で確実な点検ロボットの実現に向けた開発を進めていく」とコメントしている。
(詳細は、https://www.qst.go.jp)