March, 17, 2021, Zurich--SiGeデバイスからテラヘルツ周波数でエレクトロルミネセンスの実証は、念願の目標シリコンベースレーザへの重要な一歩である。
シリコンでは、GaAsにおける光生成の物理的プロセスは、よく機能しない。
Applied Physics Lettersで、量子エレクトロニクス研究所の教授、Giacomo Scalari と Jérôme Faistは、そのようなデバイスへの重要な一歩を紹介している。両教授は、SiGeベースの半導体構造からエレクトロルミネセンスを報告している。SiGeは、シリコンデバイスに利用される標準製造プロセスに適合する材料である。さらに、観察された発光は、テラヘルツ周波数帯域である。これは、マイクロ波エレクトロニクスと赤外オプティクスの間にあり、様々なアプリケーションを視野に入れて現在、強い関心が集まっている。
シリコンがGaAsテンプレートに追従してレーザを直接構築できない主要な理由は、バンドギャップの異なる性質に関与する。GaAsでは直接的であるが、シリコンでは間接バンドギャップである。要するに、GaAs電子は、バンドギャップでホールと再結合して発光するが、シリコンでは熱を生成する。したがって、シリコンのレーザ動作は、別の道が必要になる。斬新なアプローチを探求することが、ETH博士課程研究者、David Starkとそのチームのしていることである。チームは、シリコンベースの量子カスケードレーザ(QCL)に向けて研究している。QCLsは、バンドギャップで電子-ホール再結合による発光を達成するのではなく、精密設計された半導体構造の反復的スタックに電子をトネリングさせ、そのプロセスの間にフォトンが放出される。
QCLパラダイムは、多くの材料で実証されているが、有望な予測はあったものの、シリコンベースでは実証されていない。この予測を現実にすることが、EU助成の学際的プロジェクトの狙いである。ScalariとFaistのETHグループは、デバイスの計測に関与しており、レーザの設計にも関与している。
エレクトロルミネセンスからレーザ発振
知見と専門技術のこのバンドルでチームは、SiGeとピュアゲルマニウムでできたユニット構造のデバイスを設計、構築した。高さ100nm以下で、51回反復している。これらのヘテロ構造から、基本的に原子精度で製造し、研究チームは,予測通りエレクトロルミネセンスを検出した。新しい光のスペクトル特性は、計算とよく一致している。そのデバイスが、目的通りに、同一のデバイス形状で製造されたGaAsベースの構造との比較から、意図したように機能するという自信はさらに強くなっている。Ge/SiGe構造からの発光は、GaAsベースと比較するとまだ、非常に低いが、これらの成果は、チームが正しい方向にあることを明確に示している。次のステップは、チーム開発したレーザ設計にしたがい、同じGe/SiGe構造をアセンブリすること。究極目標は、シリコンベースQCLの室温動作である。
そのような成果は,いくつかの点で重要である。ついにシリコン基板でレーザを実現するだけでなく、それによってシリコンフォトニクスを後押しする。Stark et al.が作製した構造の発光は、テラヘルツ領域。THz域では、現在コンパクトな光源が見当たらない。シリコンベースQCLsは、潜在的多様性と製造コスト削減、既存および新しいアプリケーション領域でTHzの大規模利用には恩恵となる。医療イメージングからワイヤレス通信までである。
(詳細は、https://www.phys.ethz.ch)