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フレキシブルエレクトロニクス用に高強度材料を造る方法

March, 11, 2021, Tomsk--TPU研究者は海外の大学の研究者と協力して、金属をレーザ利用によりポリマに統合して電気伝導複合材料を形成する方法開発した。開発成果は、Advanced Functional Materialsに発表された。

「現在、IoT、フレキシブルエレクトロニクス、脳とコンピュータのインタフェースなどのブレイクスルー技術開発は、この先数年、社会に大きな影響を与える。これらの技術の開発は、決定的に新しい材料を必要とする。それは優れた機械的、化学的および電気的に安定で、比較的ローコストで大規模製造でき、あるアプリケーションには生体適合的である。こうしたことから、ポリマと世界的に普及しているポリエチレンテレフタレート(PET)が特に関心を集めている。しかし、必要な機能を付加するためにポリマを調整する従来法は、通例、ポリマ体積全体の伝導性を変える、つまり複雑なトポロジーの3次元多様性へのその適用を著しく制限する」とTPU化学・応用バイオメディカル科学教授、Raul David Rodriguez Contrerasはコメントしている。

研究チームの方法は次の通りである。まずアルミニウムナノ粒子をPET基板に堆積し、次にそのサンプルをレーザパルスで照射。こうして、導電性複合材料が、照射されたエリアに局所的に形成される。チームがアルミニウムを選んだのは、それが安価で、直ぐに利用可能な金属だからである。銀は、フレキシブルエレクトロニクスのコンダクタとしてよく利用される。得られたアルミニウムナノ粒子を持つサンプルは、銀伝導性ペーストやグラフェンベースの材料に匹敵するものだった。

「機械的安定性テスト(磨耗、衝撃と薄利テスト)は、アルミニウムナノ粒子ベースの材料が他の材料を超えること証明していた。さらにその材料構造自体が非常に興味深いことが分かった。レーザ加工中、炭化アルミニウムがサンプル表面に形成される。さらに、ポリマがグラフェン的な炭素構造を誘発する。予期していなかった効果である。その上、レーザパワーを調整することで、材料の伝導性を制御できる。実際、レーザを使い、ポリマ表面にほぼどんな伝導性構造でも設計でき、局所的伝導性も作ることができる」とTPU高エネルギー物理学教授、Evgeniya Sheremetは説明している。

研究者によると、レーザで金属をポリマに統合する方法は、フレキシブルエレクトロニクスで初めて利用された。レーザおよびそれのポリマへの高速応用による「金属エクスプロージョン(爆発)」をベースにした方法があるが、それらは技術的実行が非常に複雑である。TPUチームの方法は、2つの基礎技術ステップを適用する。ポリマ表面へのナノ粒子適用とレーザ加工である。加えて、その方法は、広範な多種材料に適用可能である。

「それが何に使えるか。まず、フレキシブルエレクトロニクスに使える。この分野の問題の一つは、製品の低い機械的安定性である。それを改善するために多くのアプローチがある。しかし、普通は、得られた材料はわれわれのテストをパスしなかった。可能性のあるアプリケーション利用域には、フォトキャパシティ、ロボット用にフレキシブルセンサ、発光ダイオード、バイオメディカル製品もある」。

研究者によると、他の材料について新しい方法をテストすることを計画している。例えば、銀、銅、カーボンチューブ、さらに多様なポリマの利用も計画している。
(詳細は、https://storage.tpu.ru)