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量子もつれ光を用いた、新たな赤外分光法を実証

March, 11, 2021, 京都--京都大学、竹内繁樹 工学研究科教授、岡本亮 同准教授、向井佑 同研究員、田嶌俊之 同研究員、荒畑雅也 同博士課程学生らの研究グループは、量子もつれ光の干渉を用い、可視光のみの検出で赤外分光を実現する「フーリエ変換型赤外量子分光法」を提案・実証した。

 電子や光子などの量子は、通常の物体とは異なった振るまいをする。その量子の個々の振るまいや相関(量子もつれ)を制御することで、飛躍的な計算能力を実現する量子コンピュータや、盗聴不可能な暗号を実現する量子暗号、さらに、従来の計測技術の限界を超える量子センシングなど、「量子技術」の研究が精力的に進められている。

 研究成果で提案・実証した方法を用いることで、スマートフォンなどで用いられているシリコン光検出器によって、赤外吸収スペクトルや、屈折率スペクトルが取得できるようになる。分析装置の飛躍的な小型化や高感度化が可能となり、量子センシングの社会実装のさきがけとなることが期待される。

 研究成果は、Physical Review Appliedに掲載された。

(詳細は、https://www.kyoto-u.ac.jp)