February, 16, 2021, 京都--京都大学、理研などの研究グループは、藻類のスピルリナを鋳型として作製した微小な金属らせん構造から特定の方向にテラヘルツ光が放射される様子を、高性能テラヘルツ近接場顕微鏡を用いてリアルタイムに可視化することに成功した。
研究グループは、藻類の一種でらせん構造を持つスピルリナを金属メッキすることで、長さ約0.1mm、直径約0.03mm、線径約0.007mmの微小ならせん構造を作製した。この微小金属らせん構造とテラヘルツ光との相互作用をテラヘルツ近接場顕微鏡を用いて調べ、特定の方向へ異なる周波数のテラヘルツ光が再放射される様子を、回折限界を超えたテラヘルツ光波長の10分の1程度の空間分解能とフェムト秒の時間分解能で、リアルタイム可視化に成功した。
研究成果は、世界中で開発競争が加速している次世代超高速移動無線通信規格(6G)に対応する、高性能アンテナなどへの応用が期待できる。
研究成果は、Scientific Reportsオンライン版に掲載された。
(詳細は、https://www.kyoto-u.ac.jp)
研究グループ
有川敬 理学研究科助教、田中耕一郎 同教授、野竹孝志 理化学研究所研究員、南出泰亜 同チームリーダー、大谷知行 同チームリーダー、彌田智一 同志社大学教授ら