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受けた力の可視化と高強度化を同時に実現する多機能高分子材料を開発

January, 26, 2021, 東京--東京工業大学 物質理工学院 応用化学系の大塚英幸教授と瀬下滉太大学院生(修士課程2年)らの研究グループは、相模中央化学研究所の巳上幸一郎博士らや山形大学の伊藤浩志教授らと共同で、力を受けると、色彩変化と蛍光発光によってその力を可視化すると同時に、材料自身が高強度化する高分子材料を開発することに成功した。

現在普及している多くの高分子材料では、過剰な力の負荷は構成する高分子鎖を切断して予期しない破壊をもたらす。こうした力を可視化すると同時に、材料自身が高強度化するような化学反応を誘起できれば、安心・安全な高分子材料設計に向けた従来と異なるアプローチが可能になる。

研究で開発した高分子材料では、引張や圧縮などの力を加えることでラジカル[不対電子を持つ原子や分子]が生じる。このラジカル由来の桃色着色と黄色蛍光によって力が可視化されると同時に、ラジカル発生をきっかけに高分子鎖どうしが連結される反応が進んで高強度化することが確認された。こうした一連のラジカル反応の多角的評価には、電子スピン共鳴(ESR)測定[用語2]や計算化学を用いた。

研究成果はドイツ化学会誌(Wiley-VCH)「Angewandte Chemie International Editionにオンライン掲載された。

(詳細は、https://www.titech.ac.jp)