Science/Research 詳細

多彩な皮膚感覚を生み出すフィルム状の振動デバイス

January, 20, 2021, つくば--産業技術総合研究所(産総研)センシングシステム研究センターハイブリッドセンシングデバイス研究チーム 竹下俊弘主任研究員、山下崇博主任研究員、小林健研究チーム長は、オムロン株式会社(オムロン) エレクトロニック&メカニカルコンポーネントビジネスカンパニーと共同で、世界最薄・最軽量のハプティクス用フィルム状振動デバイス(ハプティクスフィルム)を開発した。

現在、ゲームコントローラーやスマートフォンに用いられているハプティクス用アクチュエーターには偏心モーターや圧電セラミックスアクチュエーターが使われており、柔軟性とサイズの制約から曲面に沿った貼り付けやアレイ化が困難であった。産総研とオムロンは、極薄MEMS技術により厚さ7µmの世界最薄の圧電薄膜アクチュエーターを開発すると共に、これをアレイ化し、さらに振動を最大化するフィルム基板実装技術を実現して、より多彩な触覚を表現できるハプティクスフィルムを開発した。

今後はより多数の圧電薄膜アクチュエーターをアレイ化したハプティクスフィルムを作製し、駆動電圧の強弱と信号波形だけでなく、パターンをさまざまに変えて多彩な触覚提示の実現を目指す。また、コントローラーやマウスといったヒューマンインタフェースデバイスなどへの搭載に向け、ハプティクスフィルムの高効率振動伝達パッケージ技術の開発を行う。このデバイスはさまざまなエレクトロニクス機器に搭載可能であり、ゲーム操作やパソコン操作だけでなく、リモートワークやエンターテイメント分野への展開を予定している。
(詳細は、https://www.aist.go.jp)